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交通各社、利用者支援にスマホ活用 交通弱者の困りごとを新技術でカバー

2018/08/21

 駅や空港が、増加する訪日外国人旅行者らでにぎわう中、交通各社によるスマートフォンを活用した案内システムの実証実験が相次いでいる。ターゲットは日本語の分からない訪日客や障害のある人などの交通弱者で、困りごとを新技術でカバーするのが狙いだ。(日野稚子)

東京メトロが辰巳駅で行った視覚障害者向け駅構内ナビゲーションシステム「shikAI」の実証実験で、点字ブロックのQRコードを読み取りながら歩く被験者=6日、東京都江東区(日野稚子撮影)

 白杖(はくじょう)とスマホを手にした視覚障害者の被験者が点字ブロックを頼りに歩いている。QRコードが張られたブロックに来ると「右折、4メートル前進」と音声案内がスマホから流れ、被験者は指示通りに歩みを進めた。東京メトロが今月、辰巳駅(東京都江東区)で公開した視覚障害者向けの駅構内ナビゲーションシステム「shikAI(シカイ)」実証実験の一コマだ。

 シカイは点字ブロックに張ったQRコードをスマホで読み取ると、現在地から利用者が入力した目的地までを音声案内してくれる仕組みだ。初めてシカイを体験した被験者は「どこまで進めばよいかが音声案内で分かるので安心できた」と話す。

 技術開発を手がけた技術者人材派遣会社プログレス・テクノロジーズ(同)の小西祐一会長は「GPS(衛星利用測位システム)の届かない地下鉄駅構内で、初めての場所でも1人で安全に歩くことができる」と強調。同社と東京メトロは今年度中に100人程度の被験者で実証を進める方針だ。

 日本航空も今月、手荷物預けカウンターなどでの音声案内を、同時にスマホで個別に伝達するサービスの実証実験に羽田空港の国内線ターミナルで取り組んだ。

 カウンターの係員が手続き終了間近となった出発時刻をタブレット端末に入力すると、遠くにいても明瞭に聞こえる特徴を持つスピーカー「ミライスピーカー」からアナウンスが流れる。この音声が信号となりカウンター近くの大型モニターに出発時刻、スマホにはアナウンスが表示される。

 音声の文字化とスマホ表示はヤマハの「SoundUD」技術を活用。スマホ受信には専用アプリ「おもてなしガイド」が必要だが、日本語を含め17カ国語対応で訪日客も使える。

 日航の空港企画部旅客グループの大西康晴氏は「音声や文字など、情報の受け手側が手段を選べる。耳の聞こえにくい人だけでなく、全ての方々に的確に届けるシステム」と説明。係員は1回の操作で案内ができ、乗り遅れ客も減って、負担が軽減したという。東京五輪・パラリンピック開催までに国内空港での導入を目指す。

 JR西日本は大日本印刷などと共同で、スマホアプリ「LINE」で困っている人と手助けしたい人をマッチングする「スマホで手助け」の実証実験を今月、行っている。大阪駅の改札外を実験区域に設定。実験参加の事前登録者数は約1万8千人。「移動の円滑化の実現に向け、SNS(会員制交流サイト)を使って温かみのあるサービスが提供できないかという検証の一環」(広報担当者)としている。

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