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高島屋大阪店、66年ぶり売上高首位 インバウンド消費追い風 粟野光章店長「訪日客引きつけるミナミの包容力」

2018/05/24
高島屋大阪店は訪日客への対応として、免税カウンターを2台から18台に増やした(彦野公太朗撮影)

 訪日外国人旅行者による旺盛なインバウンド消費を追い風に、高島屋大阪店(大阪市中央区)の平成30(2018)年2月期売上高が、前年度に首位だった日本橋店(東京都中央区)を抜き、国内17店舗でトップとなった。戦後復興期の昭和26年度以来、実に66年ぶりの首位返り咲きだ。ミナミの中核店として、平成31年2月期も2年連続の首位をめざす粟野光章店長(高島屋常務取締役関西代表)に、訪日客獲得の秘訣(ひけつ)を聞いた。(聞き手 内田博文)

 --平成29年度の単店売上高は1414億円と好調だった。要因は

訪日外国人に人気の高島屋大阪店のベビー用品売り場。スマホで商品を確認する姿が目立つ

 「まずインバウンドの影響が非常に大きい。大阪店の免税売上高は前年比1・6倍の約240億円と大きく伸びた。3年前(約49億円)とは格段の差がある。さらに国内売上高も22年に増床して以来、8年連続で前年超えを維持してきた。安定した国内需要に加えて、インバウンド効果が業績を押し上げた」

 --訪日客の内訳は

 「買い物をする外国人の83・5%が中国本土の方で、香港(3・7%)と台湾(2・6%)を合わせるとほぼ9割が中国語圏だ。3年前は高額品が中心だったが、中国が2016年に高額品の関税を引き上げ、化粧品といった消耗品などに消費の対象は変わってきた。だが、日本の製品に対する信頼と、『日本で本物を買いたい』という需要は依然根強い」

 --中国人旅行客を取り込むカギは

 「インターネットの交流サイト(SNS)などの口コミによる影響が大きい。中国で普及しているスマートフォンを使った電子決済サービス『アリペイ』『ウィーチャットペイ』を2年前に化粧品売り場で導入したが、特に広告を出していないのに突然、行列ができた。調べてみると、この日に化粧品の新色が発売されるという情報が口コミで拡散していたようだ。旅行の前にスマホで調べ、評価の高いところを目指してくる。だから、ニーズに合った品ぞろえをした上で、長く待たせない、日本のお客さまと同じしっかりした対応といった、きめ細かなサービスをしていかなければならない」

 --具体的には

 「たとえば、当初2台だった免税カウンターは、18台に拡大した。それでも行列はできるが、15分以上は待たせないように徹底している。中国語が話せるスタッフも化粧品売り場だけで100人、その他の売り場にも100人配置した」

 「お肌の診断やカウンセリングは日本人にしてほしいけど、通訳はほしいという声が根強いからだ。体験型商品として、浴衣と帯、げたの3点セット(1万5千円)をその場で着付けできるサービスも始めた。複合的にいろいろな仕掛けを展開していきたい」

 --昨年は大阪への訪日客が1100万人を突破した。訪日客を引きつけるミナミの魅力は

 「一口で言えば包容力。最初は訪日客が珍しかったが、今は誰もが当たり前のように受け入れて、共生している。拒絶感や嫌悪感に観光客は敏感だから、あれば必ず伝わる。でも、ミナミでは当たり前のように買い物をし、居酒屋で隣り合って酒を飲んでいる。そういう包容力は関東にはないのではないか」

 --関西国際空港から直結する地の利も大きい 「昨年、関空格安航空会社(LCC)専用ターミナルができてから、特に潮目が変わった。LCCの航空運賃を注視している。(中国の旧正月にあたる)春節など航空運賃が高いときはファミリー層や富裕層の来店が増え、安い時期には友達同士やカップルなど若い人が増える。高級ブランドや日用品、化粧品など、航空運賃の変動と連動して品ぞろえを工夫するような仕掛けを考えている」

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