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海、浜は島の宝 ともに生きる 危機乗り越えた奄美ブルー

2018/05/24
青く透き通る海に広がる美しいサンゴ礁。油流出事故の危機にさらされたが、被害は確認されていない =10日、鹿児島・奄美大島(安元雄太撮影)

 どこまでも見通せそうな紺碧(こんぺき)の海に、サンゴが映える。青色のキャンバスに、カラフルな熱帯魚が彩りを添え、ウミガメがゆったりと泳ぐ、鹿児島県・奄美大島の海は、「奄美ブルー」とも呼ばれる。

 初日に案内されたのが海底の砂に描かれた不思議な模様だ。

アマミホシゾラフグが繁殖のために海底に描く「ミステリーサークル」と呼ばれる不思議な円形模様 =鹿児島県・奄美大島沖(鳥越瑞絵撮影)

 奄美市のダイビングショップ「マリンスポーツ奄美」の、伊藤公昭さん(44)は、「最初に見たときは『なんだこれ!』って思いました」と、発見時の驚きを振り返る。

 正体は、フグの仲間のアマミホシゾラフグが産卵のために作った直径2メートルほどの巣。「ミステリーサークル」の愛称がつき、国内外からダイバーやマスコミが訪れ一躍有名になった。

海底のダイナミックな地形に光が差し込む=鹿児島県・奄美大島(安元雄太撮影)

 自然豊かな奄美の海だが、今年に入って危機が訪れた。1月6日、パナマ船籍のタンカーが中国・上海沖で貨物船と衝突し炎上。漂流した後、奄美大島の西約315キロで沈没した。

 奄美市では翌月1日、波打ち際に、ボール状に固まった黒い油が漂着しているのを確認。同市危機管理室長の田中巌さん(49)は「(回収に)どのくらい時間がかかるか不安でした」と話す。

 地元で環境保護活動をしている「奄美海洋生物研究会」会長の興(おき)克樹さん(47)は、漂着直後から油を自主的に回収しようとしていた島の人たちに感銘を受けたという。

 住民やボランティアの奮闘もあり、自治体や回収業者が油が付着した砂やペットボトルなど、これまでにあわせて約560トンを回収、今のところサンゴに被害は見当たらない。

 興さんは、「島の人には、浜は共有の財産という意識があります。みんなで掃除するのは当然のこと。『自然とともに生きる』ということを、わざわざ言葉にしなくてもすむんです」

 奄美大島の人々に育まれる温かい心は、美しい海に引けを取らない“島の宝”に違いない。(写真報道局 安元雄太、鳥越瑞絵)

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