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“黒門英語”で外国人客呼び込め 大阪・黒門市場、店主ら英会話教室「基礎コース」で猛勉強、積極接客

2018/05/18

 「大阪の台所」として知られる黒門市場(大阪市中央区)で、増加の一途をたどる訪日外国人客に対応しようと、店主らが集う英会話教室が同商店街振興組合の主催で3年前から毎週開かれている。「安心して食べ歩きができる」と外国人客からも好評で、今年4月には「基礎コース」を新設した。英語を駆使し集客を進める“黒門スタイル”を学ぼうと、全国の商店街から問い合わせが相次いでおり、店主らは「東京五輪までに市場全体で英語でのおもてなしができるようにしたい」と意気込んでいる。(小松大騎)

インバウンド対策で開催されている英会話教室基礎コースで学ぶ黒門市場の店主ら=14日夜、大阪市中央区の黒門市場商店街振興組合事務局(奥清博撮影)

 「Do you have a beer?(ビールありますか)」「Yes,we have.Anythingelse?(はい、ありますよ。ほかにご注文は)」。

 5月14日午後7時、店じまいを終えた黒門市場の一角で、店主らによる英語が飛び交った。今年4月からスタートした英会話教室の「基礎コース」ではこの日、「会計時の会話」をテーマに、20~70代の店主ら約20人が集まり、外国人講師らが英単語やフレーズなどを解説。店主らは80分間にわたり英語力を鍛えた。

 「習ったフレーズを明日から使ってみたい」と話すマグロ専門店「魚丸商店」の店主、丸山和久さん(57)は、約30年ぶりに英語を学ぶという。当初は「この歳から英会話なんて」との照れもあり、外国人客とは必要最低限の会話のみだったが、最近は外国人客を接客する機会がさらに急増。「少しでもコミュニケーションを取りたい」と参加した。大学以来の英語に苦戦しながら「昔を思い出しながらがんばります」と笑顔をみせた。

 市場内の約150店でつくる商店街振興組合によると、今年3月時点の1日あたりの通行量は5年前と比べ約1万1千人増え約2万9千人で、約8割は外国人という。同組合の副理事長、吉田清純さん(70)は「7年ほど前は閑古鳥が鳴き、外国人どころか日本人の集客も厳しかった」と振り返る。

 そんな中、「市場活性化の起爆剤に」と力を入れたのが英会話だった。27年から英会話教室を週1回80分(1人千円)開催。当初は「黒門に、マナーの悪い外国人客は必要ない」などと反対する意見もあったが、外国人客の増加に伴い最近では、英語や中国語表記の店頭ポップで対応してきた店主らから「英語くらいしゃべれなアカン」などの声があがるようになった。

 今年4月からは、より多くの店主らに無理のない範囲で英語を学んでもらおうと、従来の英会話教室に基礎コースを新設。8月までの12回でテキスト代などは組合費から捻出し、参加費も無料にした。外国人ら3人が講師を務め、店主らの希望や悩みを聞きながら授業を進めている。講師を務める英国出身のマーク・ガンターさん(28)は「外国人客にとっては、片言でも英語をしゃべろうという姿勢がうれしい」と話す。

 この取り組みへの反響は大きく、振興組合には全国の商店街などから、約60件の問い合わせがあった。実際、大阪市北区の天神橋筋3丁目商店街では、黒門市場を参考に28年から英会話教室を始めた。今年も定期的に商店街の店主らを集めて開く予定という。

 振興組合の山本善規理事長は「黒門は全国に先駆けて英会話に商機を見いだしたからこそ訪日ブームに乗れたと思う。今後も『黒門英語』で外国人客をおもてなししたい」と話している。

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