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訪日客にも人気! げたを現代風にアレンジ 履き心地や歩きやすさ追求 静岡市のアワードで特別賞

2018/04/23

静岡市民が「100年先まで大切に残していきたい商品」を選ぶ「しずおか葵プレミアム・アワード」で「水鳥工業」(静岡市葵区)の「SENSEハミング」シリーズのげたが審査員特別賞を受賞した。同市は駿府城の造営などのため徳川家康が木工などを手掛ける職人を全国から呼び集めて以来、げたなどの木製品の製造が盛ん。履物の主流が靴となった今も同社は伝統的なげたを現代風にアレンジした商品を世に送り出し続けており、国内外で人気を集めている。(吉沢智美)

「しずおか葵プレミアム・アワード」に選ばれた「SENSEハミング」シリーズのげた

 創業は昭和12年。当時のげた製造は分業制が主流で、同社はげた木地の製作を手掛けていた。戦後、げたの需要が減ると、サンダルの中底作りにシフト。しかし、昭和の終わりごろにはサンダルの中底作りだけでは経営の先行きが見通せなくなり、水鳥正志社長の鶴の一声で原点回帰を目指し、再びげた作りに挑戦することになった。

 げたになじみのない人が増えているため、水鳥工業がまず考えたのが「足にフィットするげた」を作ろうということ。当初はこれまで通り木地だけを製造しメーカーに売り込むつもりだったが、メーカー側が「今どきげたなんて売れない」と取り合ってくれず、「だったら自分たちで一から作ろう」と完成品の製作に乗り出すことになったのだという。

 「最初は社長自らが工場の片隅で細々とげた作りを始めたと聞いている」と広報担当の島田文美さん。平成21年度に静岡産のヒノキを使ったシンプルなデザインが特徴の「茶人」シリーズのげたが、市が市内の優れた地場産品を認証する「しずおか葵プレミアム」を受賞すると、知名度も急上昇し、2、3年前からはげたの製造一本で経営が成り立つまでになった。

 水鳥工業の製造するげたはこれまでのサンダル製造で培った技術を応用し、木地に足型を乗せた上で鼻緒を取り付けるなど、履き心地や歩きやすさに配慮しているのが特長。女性客の中には同じシリーズのげたを鼻緒を色違いにして複数購入する人もいるほか、外国人観光客にも人気で、今では米国やフランスのショップでも同社のげたが売られているという。

 水鳥工業のげたは26年度にしずおか葵プレミアムが休止されるまで、5年連続で同賞を受賞。29年度に仕組みを一部変えて再開されたしずおか葵プレミアム・アワードを受賞した「SENSEハミング」シリーズは女性の足がきれいに見える高さ約6・5センチのヒールが付いた商品で、ヒールがありながらとても歩きやすいと評判だ。

 水鳥工業では今後も履き心地を意識した商品を随時開発していく考えで、広報担当の島田さんは「特別な日にとかではなく、毎日履いてほしい。今の季節は素足で履いて、ネイルと鼻緒の柄合わせなどを楽しんでもらえたら」と話している。

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