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訪日外国人1000万人突破した「観光都市OSAKA」…道頓堀、大阪城、USJに続く「人気スポット」とは

2018/04/04

 大阪を訪れる外国人観光客が増え続けている。平成29年に日本を訪れた外国人は2800万人超で過去最高を更新したが、そのうち大阪は初めて1000万人の大台を突破した。アジアからの観光客が大半を占め、大阪・ミナミの道頓堀界隈(かいわい)では大勢の中国人や韓国人らでにぎわっている。大阪観光局によると、京都や奈良などの世界遺産への利便性が高く、宿泊施設が整備されているところが人気の理由という。アジアから注目を集めるOSAKAは何が変わり、どこへ向かおうとしているのか-。(今村義明)

6年で7倍、1000万人の大台突破

外国人観光客の人気スポットナンバーワンとなった道頓堀周辺=大阪市中央区(永田直也撮影)

 大阪市中央区東心斎橋のすし店を訪れると、さほど大きくもない店構えの前に長い行列ができていた。カウンター席やテーブル席から、日本語以外の言葉が次々に飛びかう。メニューを見ると、さまざまなネタをのせたすしの写真に合わせて、英語や中国語、韓国語による説明が丁寧に書かれていた。店員は「言葉はわからないが、順番待ちのお客さんに名前を書いてもらうので、どこの国から来たのかはだいたいわかります。最近は、インターネットで予約してくる外国人も多いですよ」と話していた。

 大阪市港区天保山の観光船「サンタマリア」の乗り場では、外国人観光客グループと日本人が乗船順をめぐってもめているシーンに出あった。グループが持っているのは乗船無料になる周遊パスで、これを持っていれば乗船順も優先されると思い込んでいたらしい。1時間足らずのクルーズの間も騒ぎ放題で、彼らが降りた後にはペットボトルやごみが散乱していた。

 大阪観光局の推計によると、平成29年に大阪を訪れた外国人は前年比約18%増の約1111万人。伸び率では東京(約14%増の約1326万人)を上回った。平成23年に大阪を訪れた外国人は約158万人だったから、6年で7倍になり、大台を突破した計算になる。

 国別では、中国が約402万人(約36%)を占め、韓国の約241万人(約22%)が続くが、増加率では韓国が前年比約53%増と急増。さらに、韓国人の訪問地別では、東京(約153万人)を抜いて大阪がトップに立った。

 「訪日外国人のうち約87%が観光客」(観光庁)というから、大阪で韓国人観光客が目立ってきたのもうなずける。

LCCが急増、近くて安く行けるOSAKA

 大阪を訪れる外国人が急増している背景には、円安という追い風とLCC(格安航空会社)の増便が挙げられる。

 関西国際空港を運営する「関西エアポート」によると。昨年の冬期ダイヤ(昨年10月~今年3月)の関空発着の国際定期旅客便は週1220便。うち4割近い週481便をLCCが占め、ともに過去最高を記録した。6年前と比較すると、関空発着の国際便が約2倍に拡大した一方で、LCCだけを見れば実に10倍以上に達している。

 特に顕著なのが、仁川(インチョン)など韓国国内4空港と関空を結ぶLCCの拡充で、昨年冬期ダイヤでも全定期便の約7割にあたる週251便がLCCとなった。これは、成田空港や羽田空港を結ぶ韓国路線LCCの便数を合計しても倍以上の数字で、関空に乗り入れしている他路線LCCに比べても際だっている。

 東京に比べて短時間で移動でき、格安LCCが増便されたことで、学生を含めた若者の韓国人にとっては「大阪は近くて安い安全な海外になりつつある」(韓国観光公社大阪支社)という。

世界遺産への利便性高い「食のまち」

 大阪観光局が昨年12月、関空の出発ロビーで行った来阪外国人観光客を対象にしたアンケート(複数回答)によると、大阪を訪問地に選んだのは89%と圧倒的。次いで、京都、奈良、東京、兵庫(神戸、姫路など)となった。

 交通機関が整備され、宿泊施設も充実している大阪は、外国人観光客にとって関西旅行の拠点になっている。「特に京都や奈良、姫路城など世界遺産が周辺に集まり、日帰りでアクセスできる利便性が大きなアドバンテージになっている」大阪観光局は解説している。

 アンケートでは、大阪の人気スポットとして(1)道頓堀(大阪市中央区)(2)大阪城(同区)(3)ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市此花区)-がベスト3となった。4位以下は、関西有数のサブカルチャー街・日本橋(にっぽんばし)(大阪市浪速区)、HEP FIVE観覧車(大阪市北区)と天保山観覧車(大阪市港区)、梅田スカイビル空中展望台(大阪市北区)、通天閣(大阪市浪速区)、海遊館(大阪市港区)、四天王寺(大阪市天王寺区)と続いた。

 また、大阪のグルメも注目されており、(1)ラーメン(2)すし(3)たこ焼き(4)天ぷら(5)焼き肉(6)お好み焼き-が外国人観光客の人気順。韓国や中国、東南アジアでは「日本食ブーム」が起きており、「食いだおれのまち」で知られる大阪で食事をすることを目的に来阪する観光客も増えているという。

「周遊パス」人気、ブロガーらを招待し拡散狙う

 大阪府と大阪市、関西の経済団体は平成25年、「大阪の都市魅力創造」を合言葉にした大阪観光局を設立、官民が協力して観光客を誘致する戦略に乗り出した。当時は大阪への訪日外国人を「2020年までに650万人」と目標を設定していたが、あっさりと達成。現在では「1300万人」と大幅に情報修正している。

 その戦略の一つが「大阪周遊パス」(1日券2500円、2日券3300円)。購入すれば、電車、バスが乗り放題になり、大阪城や空中庭園など約35の観光スポットが無料で利用できる。このパスは外国人観光客の支持を集めており、昨年度は約150万枚が売れたという。

 また、通信事業者の協力で「大阪フリーWi-Fi」を運用している。府内約6600カ所のアクセスポイントで接続でき、大阪の観光情報や医療、防災情報などが入手できる。「Osaka Call Center」(大阪コールセンター)と同様に、英語、中国語、韓国語にも対応しており、Wi-Fiの接続記録を追跡することで新たな観光の導線を構築する狙いも秘めている。

 さらに、大阪観光局はSNSの存在にも重視している。すでに海外から多くの若者が、ブログやインスタグラム、ツイッターで仕入れた情報を参考に大阪に乗り込んでいることに注目。海外の人気ブロガーやツイッター発信者を毎年、大阪に無料で招待し、大阪の観光や魅力を拡散してもらうことを狙っている。

 3年後の目標達成も視野に入ってきたが、観光都市OSAKAはどんな変貌(へんぼう)を遂げるのか。

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