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日本の「おもてなし」を外国人労働者に伝授 ホスピタリティ&グローイング・ジャパン社長に聞く

2018/04/02

小売・サービス業に特化した研修サービス「グローイング・アカデミー」を手掛けるホスピタリティ&グローイング・ジャパンが「中国語で教える日本のおもてなし講座」を開講し、好評を博している。同社は、日本マクドナルドの社員教育機関「ハンバーガー大学」の学長を務めた経歴を持つ有本均社長が設立した会社で、深刻な人手不足の中、中国人を中心にした外国人労働に頼らざるを得ない業界のニーズに対応し、「グローイング・アカデミー」の約100講座のうちのひとつとして開講したという。有本社長に講座を開講した背景やねらいなどについて聞いた。

――なぜ「日本のおもてなし」を外国人労働者に学んでもらおうと考えたのか

ホスピタリティ&グローイング・ジャパンの有本均社長

「日本人の顧客はサービスを見る目が厳しい。観光やビジネスで来日する外国人にしても、日本的なサービスを期待しています。接客する側が外国人だからといって、日本的な『おもてなし』ができなければ許してもらえません。しかし、育ってきた文化・環境が違うので、いきなり『おもてなし』を求めても無理があります。日本での『当たり前』を理解し、実行してもらうには、文化・環境の違いを踏まえた教育が大事だからです」

――有本社長が考える「おもてなし」とはどういうものなのか

「顧客を敬い、大切にする価値観が『おもてなしの心』です。丁寧なお辞儀も、その表れのひとつです。一方で、中国は、顧客と接客する側は対等という文化です。お辞儀が必要という文化がそもそもないんですね」

――現場でそれを教育するのは難しい?

「日本で働く中国人は、そこそこ日本語を理解している人が多い。しかし、細かい気持ちまで理解できるほどのレベルではありません。現場で教える日本人も、文化的なことを含めた説明ができるかといえば、それだけの中国語を話せる人はほぼいないと思います。説明もなしに『お辞儀しろ』と指示しても、言われた側はカチンとくるだけです。教育ではなく、ぶつかり合いでしかなくなる。それではサービスの向上は望めません」

――文化の壁を取り払うために「中国語で教える」ことが重要になってくる

「日本文化と中国文化、日本語と中国語に精通した講師が指導するので、根源的なところから理解してもらえます。頭で理解できれば、それを体現することは易しくなる」

――これまで3回の講座を開催したそうですが、反応は

「受講者から『日本のマネジャーから言われてきたことが理解できた』という声が多く寄せられています。日本で働く中国人も、日本の文化を理解したいという気持ちはあるが、そういう機会がなかっただけのことです」

グローイング・アカデミーが開催している立ち居振る舞いを学ぶ講座での接客練習の様子。写真は日本人向けの講座

――受講させている企業側の反応は

「説明したくても言葉の問題で説明しきれなかったところを指導してもらって助かった、といった感想を多くもらっています。改めて、中国人を雇っている企業側も困っている現実を実感しました」

――今後の予定は
「4月17日に4回目の講座を、新宿校で開きます。中国語による、日本人が大切にする「おもてなしの心」の説明やディスカッション、あいさつの仕方や接客の立ち居振る舞いなどの実践トレーニングを行います。これからは回数も増やし、また全国各地で実施できるよう考えていきます」
                   ◇
有本均(ありもと・ひとし)1956年愛知県出身。早稲田大学入学後、大学1年からマクドナルドでアルバイトを始め、1979年日本マクドナルド入社。店長、スーパーバイザーなどを歴任後、社員教育機関である「ハンバーガー大学」の学長を務める。2003年ファーストリテイリングの社員教育機関「ユニクロ大学」部長に就任。その後、バーガーキング・ジャパン社長などを経て、2012年ホスピタリティ&グローイング・ジャパンを設立、社長に就任。

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