Logo sec

[連載]宗さんがゆく!(5)訪日中国人の「食」にまつわる行動をチェック

2018/03/06

訪日ビジネスアイをご覧の皆さま、こんにちは!いつもご覧いただき、ありがとうございます。

前回の連載でもご紹介しましたが、私は年末年始に、中国から遊びに来た友人と一緒に京都旅行をしました。さまざまな面白い体験をしていた中でも、特に『食』体験で新たな感動がありました。

憧れの「ミシュラン」

今回の旅行中、上海から来た友人の希望で、私は初めてのミシュランを体験しました。400年の伝統を持つ京都南禅寺の「瓢亭(ひょうてい)」です。朝粥が食べられる名店ということで、当日の朝8時過ぎにお店に入ると、すでにお客さんでいっぱいでした。暖かい玉露のお茶で迎えられ、一口飲むと、冷え込みの激しい京都の寒さを忘れ、心まで温まりました。なんだかとってもほっとしたのを覚えています。

京都瓢亭で友人と一緒に食べた朝粥

提供されるお料理は、どれもとても手の込んだもので、口に入れると優しい味わいがして、老舗の雰囲気が伝わってきました。

途中でいれてくれたほうじ茶も印象的で、友人同士「これは暖かい、熱いじゃなくて心に染み込む温かさだね」とお代わりまでしてしまったほどです。

いつの頃からだったか定かではありませんが、中国人にとって日本のミシュランレストランで食事をするのは、憧れになっているように思います。私は中国にいた頃から、友人に日本のお店の予約を頼まれていましたが、昨年頃からミシュランのレストランの予約がものすごく増えてきています。では、なぜ、中国人にとって日本のミシュランが人気なのでしょうか。中国の食文化だって、世界三大料理の一つに上げられているほど。歴史もこだわりも持っています。

私は、実はこの現象こそが、訪日旅行者の『モノからコト』消費の先駆けではないかと思うのです。中国人にとっては、ここ最近で、日本に行くこと、日本でお買い物をすることへの憧れが実現するようになりました。中国でトレンドになっている日本への旅行、そこから、さらに旅行中の価値を上げたい、人と違う体験をしたいと思った時、真っ先に「食」の体験が思い浮かぶのではないでしょうか。

昨年の夏に中国からの友人と一緒に行った宇治の中村藤吉本店 抹茶セット

中国では、日本の一流飲食店に関する情報も増えています。寿司の神様と呼ばれる小野次郎さんの「すきやばし次郎本店」の報道を機に、日本料理の“職人精神”が中国国内ではかなり評価されるようになりました。「龍吟(りゅうぎん)」「菊乃井」「吉泉(きちせん)」などの高級日本料理店の名前を知っている中国人も増えてきています。

ちなみに、日本料理ではありませんが、フランス料理の名店「Joel Robuchon(ジョエル・ロブション)」も20~30代の中国人女性に人気です。グルメ情報サイト「東京カレンダー」の連載をもとに作成されたドラマ『東京女子図鑑』の劇中で登場したのがきっかけで、これは、中国でも話題になったと思われます。私の友人の女性は、来日した際、一人でJoel Robuchonに食事をしに行ったと言っていました(笑)。

とは言え、中国人が何より影響を受けるのは、身近な人たちの体験です。ミシュランの体験をしてきた人がSNSで写真やコメントをアップしていることが、一番の行動のきっかけとなり、自分はどこのお店に行こうか、どんな体験をしようかと考え始めます。

どんな「食」の体験をしているのか

微博の某アカウントで紹介している日本の居酒屋情報

中国人にとって、日本での食体験の従来の定番と言えば、ラーメン、寿司、刺身等が中心でしたが、最近はよりバリエーションが豊かになってきました。東京や大阪のような大都市を訪れる人たちにとっては、ドラマや映画作品に出てきたお店や、SNSで話題になっているお店に行くのがトレンドです。地方都市では、各地の名産品を目当てにした旅のスタイルも流行っています。宇治抹茶、飛騨牛、北海道のカニなどの認知度が徐々に浸透しています。

中国人は、日本の飲食店情報を『微博(ウェイボー)』や『微信(ウェイシン)』などのSNSで情報収集しているのが一般的です。SNSを使った情報収集の方法は、大きく3つあります。

一つは、「#日本美食」「#日本グルメ情報」などのハッシュタグで検索する方法。もう一つは、情報メディアなど日本のグルメ情報を紹介しているアカウントから。三つ目は、友人が発信している情報からです。中国人にとっては、特に最後の友人からの情報が重要です。私も友人が発信していた情報で気になるものはスクリーンショットを撮るなどして、画像フォルダに行きたいお店リストがたくさんたまっています。

口コミメディア「大衆点評」のアプリ画面

また、検索エンジンで「日本」「グルメ」「おすすめ」などのキーワードで検索したりして、情報収集をするケースもあります。

特に最近、中国人の利用が増えてきているのは、飲食店の口コミメディアです。訪日前に、お店を調べて口コミを確認、お得情報などをチェックした後、各種サービスの予約を済ませます。訪日中はお店までの経路や周辺の観光スポットをチェック。今回、上海から遊びに来た私の友人も、中国の口コミアプリを使ってお店情報をチェックしていました。

どうしても行きたいお店は訪日前に予約をします。予約の方法はいくつかあり、日本にいる友人に依頼する、予約代行サービスを提供しているサイトを活用する、あるいは、有料で予約代行を受けている個人にお願いするなどが主流です。私も、日本に来てからはますます予約の依頼を受けることが増えていて、「こんなお店まで中国人の友人は知っているのか!」と驚かされることも多いです。

今回は、『日本食を楽しむ』中国人観光客の行動を紹介しました。

私も、日本に来てから、ますます日本の食文化を楽しんでいます。同僚と日本の中華料理店に訪れたり、日本料理を勉強するためお弁当づくりも始めました。次回は、2018年の「春節」事情をお伝えする予定です。ご期待ください!

宗杏梅(そう あんばい) 中国江蘇省南通市出身。北京第二外国語大学日本語学科を卒業後、中国のPR会社やデジタル広告代理店勤務を経て、2017年6月に来日。ペイサーに入社し、ソーシャルメディアを活用したインバウンド支援を担当。坂本龍馬が好きで、上海龍馬研究会の設立・代表を務める。2017年9月には、NHK-BS1“「地球リアル」拝啓坂本龍馬様 篇”に出演した。日々、微信(ウェイシン)・微博(ウェイボー)をフル活用して、現地トレンドを収集。毎週末は、続々と来日する中国人の友人・知人を日本各地に案内し、中国人ニーズを研究している。

あわせて読む

「中国」の記事をもっと見る

訪日プロモ

もっと見る
「訪日プロモ」の記事をもっと見る

飲食店

もっと見る
「飲食店」の記事をもっと見る 「飲食」の記事をもっと見る 「連載」の記事をもっと見る

宗さんがゆく!

もっと見る
「宗さんがゆく!」の記事をもっと見る