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草津白根山噴火から1カ月 観光と防災、両立探る

2018/02/23
草津白根山噴火から1カ月 観光と防災、両立探る

 草津白根山の本白根山(群馬県草津町)の噴火を受け、観光が主要産業の同町が防災との両立を模索し続けている。町は新たなハザードマップ(被害想定図)の作成を進めるなど安全アピールに余念がない。23日で発生1カ月。観光と防災の兼ね合いをめぐっては過去に箱根山(神奈川県)でも問題化しており、各地域の防災態勢を担う「火山防災協議会」の機能強化も求められる。

 「草津町は嘘を言わない、隠し事をしない。ビジネスを一番にしない。温泉自体に魅力があれば客は戻る」。草津町の黒岩信忠町長は力を込める。「噴火した山をあえて見せる」(同町)として観光協会の公式サイト上では火口付近のカメラ映像を公開。宿泊キャンセルが相次いでいた温泉街は徐々に活気が戻っており、町は立ち入り規制範囲を見直し、現在範囲内となっている国道を開通させることも視野に入れる。

草津白根山の本白根山が噴火し、火山灰で覆われた山頂付近。中腹はスキー場=1月23日、群馬県草津町

 一方、噴石被害の出た「草津国際スキー場」はスキー客の約15%が利用していたロープウエーと山頂のリフト2本に加え、規制範囲内のゲレンデを閉鎖。全長8キロというスキー場の魅力より安全を優先した。

 さらに、噴火を想定しておらず未整備だった本白根山のハザードマップの作成に着手。ロープウエー山頂駅には観測機器を設置し、監視所として使うという。

 町が念頭に置くのは平成27年に警戒レベル3(入山規制)へ一時引き上げられた箱根山だ。規制解除まで1年以上かかり、年間観光客数は約2割の約381万人も減少。草津町は同じ轍(てつ)を踏まないよう安全対策を進め、観光客へアピールするという。

 懸念されるのは安全対策のあり方に対する自治体と防災機関の認識の違いだ。箱根山では、イメージ悪化を懸念した箱根町の山口昇士町長が、火山の呼称を箱根山から警戒対象の「大湧谷(おおわくだに)」へ変更するよう、事前協議なく6省庁へ直訴したこともあった。今回も気象庁が草津白根山全体で3に引き上げた警戒レベルについて、黒岩町長は噴火が想定された別の火口を指して「レベル1」とし、認識の不一致が指摘された。

 問題の解消には、行政と関係機関からなる火山防災協議会での徹底的な議論が必要だが、草津町のような小規模自治体が事務局を担う態勢では十分な対応は難しいとの声もある。ある防災関係者は「地元市町村は観光を優先しがちだ」とも指摘している。(吉原実、住谷早紀、市岡豊大)

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