Logo sec

鉄道に広がる4カ国語表記・放送…東アジアの訪日客に対応

2018/02/19

 訪日外国人数が昨年、過去最高を更新した。インバウンド対策が広がる中、鉄道の駅や電車内でも外国語による表示や案内放送の取り組みが進む。一部の鉄道会社では、急増する東アジアからの観光客のために、日本語や英語に加え、中国語や韓国語を含む4カ国語が用いられるようになっている。関西国際空港と直結するターミナル駅、南海難波駅(大阪市中央区)で現状を探ってみた。

行き先を4カ国語で記した床の案内表示=大阪市中央区の南海難波駅
 大きなキャリーケースを手に外国人旅行者が続々と出てくる南海難波駅の3階北改札口。改札をくぐると、発車時刻や電車の行き先を知らせる巨大な電光表示板が目に入った。横約6.4メートル、高さ約2メートル。行き先や停車駅、急行や普通など電車の種別を日本語とともに、英語、中国語、韓国語で交互に表示している。

 同行した南海電鉄の広報担当、谷本賢也さん(25)は「以前は『反転フラップ式』、つまり板がパタパタ回転する表示板で日本語と英語だけだったのですが、平成28年3月に電光表示板に変えた際、4カ国語表示にした」と説明する。駅構内には、ほかの4カ所に同様の電光表示板が設置されている。

 一方、足元の床にも、4カ国語の大きな案内表示が設けられていた。行き先とホームの番号が記載され、方面別に色分けしている。床の表示は駅構内にほかに4カ所あり、これらも28年3月に設けられたという。

 「4カ国語による対応はこれからも増えていくはずです」

 谷本さんはそう強調する。

 4カ国語の電光表示板は、難波や関西空港、りんくうタウンなど7駅に設置。足元の案内表示も難波、新今宮、天下茶屋、関西空港の4駅で整備されているという。

 4カ国語の車内放送も27年から始まり、順次拡大している。関西空港駅と難波駅を結ぶ特急「ラピート」の車内放送は6年の運行開始以来、日本語と英語の2カ国語だったが、27年からは4カ国語で案内するようになった。

 難波駅では、マナー啓発放送や、掲示されたポスターも4カ国語で対応している。

 韓国・江原道(カンウォンド)からやって来た男子大学生、金慶碩(キムギョンソク)さん(19)は駅などの外国語表記について「ハングルや英文があり、助かった。こんなにちゃんとしているとは思わなかった」と驚いていた。

 関西のほかの大手鉄道会社はどうだろうか。

 近鉄は、主要駅の行き先表示を英語と日本語の2カ国語で行っているが、27年12月から、ワンマン電車を除き4カ国語の車内放送を始めた。

 一方、阪急電鉄では、主要駅の行き先表示は日本語と英語の2カ国語で、車内放送は観光列車「京とれいん」で4カ国語放送に取り組んでいるものの、この観光列車以外の電車は日本語のみ。ほかの鉄道会社でも4カ国語の取り組みはあまり進んでいない。

 日本政府観光局(JNTO)によると、昨年に日本を訪れた外国人は2869万900人で、前年から19.3%増となり、過去最高を更新。10年前の3.4倍に達した。このうち、韓国、中国、台湾、香港の訪日客だけで74%を占めている。

 関空の国際線旅客に占める外国人数でみると、伸び率はさらに高く、昨年は10年前の4.36倍の約1430万人(関西エアポート統計)にのぼっている。

 こうした状況を受け、鉄道以外でも、4カ国語表記は、あちらこちらで見られるようになっている。JNTOインバウンド戦略部の担当者は4カ国語による対応について「鉄道だけでなく、自治体やショッピングセンター、商店街などで広まっていくはず」とみている。(張英壽)

あわせて読む

「中国」の記事をもっと見る 「韓国」の記事をもっと見る 「台湾」の記事をもっと見る

訪日外国人旅行者数

もっと見る
「訪日外国人旅行者数」の記事をもっと見る

多言語対応

もっと見る
「多言語対応」の記事をもっと見る

観光ルート

もっと見る
「観光ルート」の記事をもっと見る

翻訳・通訳

もっと見る
「翻訳・通訳」の記事をもっと見る

訪日プロモ

もっと見る
「訪日プロモ」の記事をもっと見る 「運輸」の記事をもっと見る 「鉄道」の記事をもっと見る

インバウンド

もっと見る
「インバウンド」の記事をもっと見る