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中国国営テレビが日本産食品を標的 ネット上では「日本企業に無実の罪」「中国産より日本産を信じる」…

2017/04/03

中国国営中央テレビ(CCTV)が3月15日の「世界消費者権利デー」に合わせて放送した特別番組「315晩会」で、今年は日本産食品がやり玉に挙げられた。福島第1原発事故後に中国政府が輸入を禁止した日本産食品が国内で販売されているとの内容で、放送直後から中国全土のスーパーやコンビニで一時、日本産食品が撤去される動きが拡大。ところがずさんな報道内容が次々と明らかになり、北京の日本大使館も事実関係の調査をCCTVに要求するなど、国内外から「誤報」「デマ」の烙印を押される結果となった。

201704032025_1-300x0.jpg北京にあるスーパーマーケットに並ぶ輸入食料品。中国国営中央テレビの番組でやり玉に挙げられ、日本産が一部店舗で撤去される騒ぎに(AP)

「315晩会」は消費者の権利を“錦の御旗”に外資企業などの問題をあぶりだす毎年恒例の番組だ。報道された問題には当局が直ちに介入するケースも多く、企業側は戦々恐々としながら放送日を迎えることになる。

今年は米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備を受けて、中国当局が圧力を強めている韓国企業がターゲットになるとの観測が広がったが、ふたを開けてみると狙われたのは日本企業だった。

中国当局は被災地の福島など10都県で生産された食品などを全面的に輸入停止している。特番は、輸入禁止地域で生産された菓子や飲料などが、産地表記の変更などによって不正に輸入されていると指摘した。

中国外務省の華春瑩報道官も翌16日の記者会見で、この問題をあおり立てた。CCTVの報道に関連して「日本政府は過去6年間、放射能汚染について秘密を隠したり、言葉をはぐらかしたりして、日本国内外の懸念に対して明確な説明を行っていない」と主張し、「日本政府は迅速で正確な情報を発信し、海洋環境の安全や他国民の健康を損ねてはならない」と要求したのだ。

ところがCCTVの報道の標的にされた日本企業は直ちに反論した。雑貨店「無印良品」の菓子や飲料が報道で取り上げられた良品計画は16日、報道は「誤解」だとする声明を発表。CCTV側が本社所在地の記載を産地と勘違いするという初歩的ミスを犯した可能性を指摘した。白米パックが取り上げられた佐藤食品工業も17日、CCTV側の同様の誤りに言及した。

中国のブロガーや一部メディアからも「日本企業は無実の罪を着せられた」と報道を批判する声が次々と上がった。当のCCTVで論説委員を務める王志安氏も「315晩会はどうしたんだ」と題する文書をネット上で発表。「米アップル本社のカリフォルニア州と生産地の河南省鄭州では1万キロの距離があるぞ」などとCCTVのミスを皮肉り、強引な番組作りを批判した。

もっとも日本にとって重要なのは、CCTVの粗雑な報道だけではない。日本側は、そもそも中国の禁輸措置が「科学的根拠に基づかない措置」(日中外交筋)として是正を求め続けているのだ。中国のネット上でも今回の誤報問題をきっかけに「日本の食品は厳格な放射性物質の基準値が適用されている」などと中国政府の規制の不当性を批判する声が上がっている。

ただ皮肉なことに今回の問題は、中国の消費者の日本産食品に対する底堅い信頼を浮かび上がらせもした。ネット上には「もし日本の食品にすら問題があるなら、中国の食品の質は推して知るべしだ」といった書き込みのほか、「日本の食品のあら探しをするとはCCTVは勇気があるな」との声も。「国産と日本産の粉ミルク、どっちを子供に与える?」

「私はむしろ日本を信じる。国内では利益のためにはどんな天理に背くこともやるからな」

「中国産を食べればもっと早く死ぬ」

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