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「ヤミ民泊」是正なるか 営業ルール定め監督強化の新法案

2017/03/22

個人宅やマンションの空き部屋に観光客らを泊める「民泊」の営業ルールを定めた新法案は、行政による営業実態の把握や、家主らに対する監督指導が課題となる。政府は急増する訪日外国人旅行者の受け皿と期待するが、横行する無許可の「ヤミ民泊」の是正につながるかは不透明だ。騒音など生活環境の悪化への懸念も根強い。

切り札

201703211233_1-300x0.jpg外国人観光客らでにぎわう大阪・道頓堀の商店街=2016年10月

訪日客は2016年に2400万人を突破し、東京や大阪などのホテルの客室稼働率は80%を超え、宿泊施設不足は深刻になっている。20年の東京五輪・パラリンピックに向け、増え続ける訪日客にホテル整備が追い付かない状況だ。

新法案では、民泊サービスを自治体への届け出制として、住居専用地域での営業も容認。観光庁の田村明比古長官は「健全な民泊の普及を目指す」と力を込める。

米大手の仲介業者「エアビーアンドビー」の日本法人(本社・東京都渋谷区)は「地域社会に配慮し、持続可能な形で普及するよう協力していく」と新法案を歓迎。新法が施行されれば年間営業日数の上限の180日を超えた物件はウェブサイト上で表示できなくする仕組みとする方針だ。ち

トラブル

ただ、こうした期待をよそに無許可営業など民泊を巡るトラブルは既にまん延している。

民泊の仲介サイトを使って東京都港区の賃貸マンションの部屋を訪日客に貸したという30代女性はオーナーに無断で貸していたことが発覚し、退去を余儀なくされた。

「キッチンで鍋つかみを焦がしたと連絡があり、半分以上燃えた状態で放置されていた。火事になっていたらと思うと、ぞっとする」

大阪市では、昨年10月に国家戦略特区制度を使った民泊がスタートした。滞在期間を「2泊3日以上」とする制限もあり、これまでに認定された物件は約40カ所にとどまるが、無許可業者に関する通報は600件を超えた。「無許可が疑われる案件ほど、ごみ処理、騒音、火災の心配といった苦情につながりやすい」(市担当者)という。

疑問

無許可営業を撲滅しようと、政府は新法案とともに国会提出した旅館業法改正案で、民泊を行う家主への立ち入り検査など自治体の監督権限を強化し、罰金を大幅に引き上げる方針だ。

だが、実務を担う自治体は住民からの通報頼みで、物件所在地や貸主の特定すら難しいケースも珍しくないのが実態だ。京都市の担当者は「新法の枠組みにどれだけの施設がきちんと入ってくれるかは疑問だ」と話す。

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(事務局・東京都千代田区)の北原茂樹会長は「取り締まりが甘くなれば治安が脅かされ“安全国家”としての看板も揺らいでしまう」と指摘し、対策の徹底を求めた。
 

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