Logo sec

東京五輪 国産食材“出場”ピンチ 安全認証が壁、JAに取得支援要請

2017/03/21

2020年東京五輪・パラリンピックの選手村の食堂で国産農産物をほとんど提供できない恐れが出ている。安全性の「お墨付き」として求められる国際規格の認証取得が農家の壁になっており、これに準じた制度を整備できる都道府県の対応も広がりを欠くため。政府は五輪を和食PRの好機と捉えるが肝心の供給量が足りず、不発に終わりかねない雲行きだ。

201703211129_1-300x0.jpg

自民党の小泉進次郎農林部会長は3月17日、農家の認証取得を支援し、費用負担を軽くするようJAグループに要請した。

五輪では選手らの食べ物が安全だとはっきりさせるため、農薬の量など生産管理の徹底ぶりを示す基準「GAP(ギャップ)」の認証を得た農場の産品が重視される。

東京五輪・パラリンピック組織委員会は食堂で使う農産物について国際規格の認証のほか、国内農家に合った(1)日本版の認証(2)農林水産省の指針に従った都道府県の認証-などを得たものに限るルールを3月中に決定する。

ただ、競争力強化に取り組む産地に絞った農水省の調査でも、国際規格や日本版の認証を得た産地は全体の2%程度。県レベルの認証は各地にあるが、農水省指針に沿って第三者機関の確認体制を整えたのは埼玉や静岡、島根、徳島、鹿児島の5県にとどまる。

ある自治体からは「一過性の五輪のために人材や公費を投じるのは現実的でない」との声が出ている。五輪前年の収穫分が使われるコメは2年後の19年が認証取得のリミットで、畜産物は日本版の制度づくり自体が途上。認証を取っても食堂のケータリング業者との商談に成功するとは限らず、五輪・パラリンピックで出す1500万食以上の材料の大半が輸入頼みになる可能性もある。

農水省は農産物輸出にも有利になる国際認証を農家に広めようと、数十万円ほどの審査料を初回はほぼ全額補助するが、毎年更新制のため2年目からは実費だ。生産管理の大量の記録を残したり点検したりする作業も負担となり、取得の機運が高まらないという。

あわせて読む

「和食」の記事をもっと見る

東京五輪

もっと見る
「東京五輪」の記事をもっと見る

農産物

もっと見る
「農産物」の記事をもっと見る

農林水産省

もっと見る
「農林水産省」の記事をもっと見る

訪日プロモ

もっと見る
「訪日プロモ」の記事をもっと見る