Logo sec

春節商戦、今年の“爆買い”は肩すかし? 化粧品グングン、高級品いま一つ…百貨店やホテル「物足りない」

2017/02/15

中華圏の旧正月にあたる春節(8日)連休に合わせて中国人観光客らが押し寄せ、国内の観光、小売業界が“爆買い”の取り込みに躍起だ。関西でも、関西国際空港への格安航空会社(LCC)就航拡大を追い風に訪日外国人(インバウンド)が街にあふれ、関西の百貨店やホテルの春節商戦は滑り出し順調だが、当初の期待が大きかっただけに「昨年よりは落ち着いている」との声も聞かれる。(田村慶子、大島直之)

順調でも物足りない

201703152303_2.jpg大阪・ミナミの観光スポット道頓堀に集まる外国人観光客ら

中国人観光客らでにぎわう大阪・ミナミ。春節の連休期間の勢いに乗っているのが高島屋大阪店(大阪市中央区)だ。7、8日の2日間の免税売上高は前年同期比60%増だった。とくに化粧品は同2・2倍と大きく販売を伸ばした。「婦人服、ステンレスボトルなど生活雑貨が好調だ」(広報・IR室)と順調なスタートダッシュに沸いている。

一方、ホテルニューオータニ大阪(大阪市中央区)は春節の連休中の客室稼働率を前年から20ポイント以上伸ばし、9割超を見込んでいる。館内の中国料理店では、春節祝いの定番ともいえる銀杏入りの水餃子をメニューに加え、「問い合わせが増えている」(担当者)という。

ただ、序盤の商戦について百貨店やホテルの多くは堅調に推移しているが、期待の大きさゆえに「物足りない」などの声が上がっている。

ホテルの予約取り消しも

近鉄百貨店本店(大阪市阿倍野区)は7、8日の2日間の免税売上高は同30%増だった。化粧品を中心に販売を増やしている。ただ、春節連休の売上高目標を同2.2倍に設定している。強気の目標には全然達しておらず、「高級時計や宝飾品などで大きな伸びが見られていないようだ」(広報担当)と物足りなさが残っている。

大丸梅田店(大阪市北区)でも外国人の入店客は増えているものの、昨年に比べると、買い物は落ち着いた様子だという。広報担当は「昨年は衣料や雑貨でもあまり吟味せずに目の前にあるものをどんどん買っていった。今年はほしいものを吟味して、慎重に選んでいる」と説明する。

宿泊施設は相変わらずインバウンド需要を享受しているものの、当初の期待よりは落ち着いて推移しているようだ。大阪市内のホテルの稼働率は軒並み9割超えと満室に近い状況は変わらないが、宿泊予約の取り消しなどがあってトーンダウンしている。

あるホテル関係者は「旅行会社が旺盛な需要を見越して客室を多めに押さえていたが、宿泊客が思ったほど集まらなかったようだ」という。直前に予約がキャンセルされると穴埋めが難しく「もっと増えると期待していたのに」(ホテル業界関係者)と、やや肩すかしを食らったことを打ち明けている。

帝国ホテル大阪(大阪市北区)は8~13日で中国、台湾からの宿泊客の割合が全体の4割台に上り、客室稼働率は前年比1ポイント減の約94%となる見通しだ。他ホテルでも大きくは伸びてはおらず、昨年と同程度にとどまるホテルが多いのが実情だ。

ラストスパート大切

それでも関西の観光、小売業界などは、インバウンドの傾向を分析しながら商戦終盤に期待をかける。

中国人観光客はこれまでの買い物一辺倒から脱却して、体験型の観光を楽しむスタイルが増えてきた。訪日後に京都の観光名所のほか、大阪のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどを満喫する間は荷物が増える買い物は控え、帰国直前にまとめて土産物などを買い込むパターンも増えてきたためだ。

新関空会社によると、春節前後の5~14日の国際線旅客数予想では約55万人。1日平均の旅客数は5万4900人に上り、過去最多だった昨年夏のお盆シーズン(5万3520人)を上回る見通しだ。

出発ピークは14日を予想しており、ラストスパートに向け爆買い消費の争奪戦はボルテージが上がってきている。

あわせて読む

「中国」の記事をもっと見る 「台湾」の記事をもっと見る

大阪市

もっと見る
「大阪市」の記事をもっと見る

ホテル

もっと見る
「ホテル」の記事をもっと見る

流通業

もっと見る
「流通業」の記事をもっと見る 「春節」の記事をもっと見る