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大阪万博、誘致は東京が頼り 経団連にすがりつく関西政財界

2017/03/08

2025年国際博覧会(万博)の誘致委員会トップ(会長)に、経団連の榊原定征会長が就任することが固まった。誘致委は3月下旬をめどに設立され、関西財界が求めてきた「オールジャパン」の態勢が整う。開催地が決まる来年秋に向け、海外へのPRや国内機運の醸成に取り組むが、前途は多難だ。問題はカネ。民間負担は不可欠とはいえ見返りのない協力は難しい、との考えは誘致の旗を振る関西財界にも根強い。(牛島要平)

関西には荷が重い

201703141437_2-300x0.jpg万博誘致委員会について会談を終え、握手を交わす(左から)関西経済連合会の森詳介会長、経団連の榊原定征会長、大阪府の松井一郎知事、世耕弘成経産相=2月7日、東京都千代田区(酒巻俊介撮影)

「大変お忙しいと思いますが、関西経済界としても全力を挙げて会長をお支えするつもり。どうぞよろしくお願い申し上げます」

2月7日、東京都の経団連会館を世耕弘成経済産業相、大阪府の松井一郎知事とともに訪れた関西経済連合会の森詳介会長(関西電力相談役)は、榊原会長に頭を下げ誘致委の会長就任を要請した。

3人を前に断れるはずもなく、榊原会長は「大変、責任のある大役でございますが、謹んで受けたい。何としても誘致を勝ち取っていかなければならない」と述べ受諾。その瞬間、松井知事らが「ありがとうございます」と声を合わせた。

会談後、森会長は報道陣に対して「オールジャパン、経済界全体で目標の資金が調達できるようなスキーム(枠組み)をともに考えるベースができた」と語った。

05年の愛知万博では会場建設費約1350億円を国、地元自治体、民間で3分の1ずつ負担。大阪万博の場合、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)での会場面積約82ヘクタール、総入場者数約3千万人とすれば、1200億~1300億円程度が必要とされ、民間で約400億円を負担する計算になる。

昨年9月には、すでに森会長が定例記者会見で「関西経済界だけでまかなうのは非常に難しい。オールジャパンということになると、やはり経団連にお願いせざるを得ない」と訴えている。榊原氏を誘致委に招くことで、ハードルを1つクリアしたといえる。

何か考えてほしい

しかし、越えるべきハードルはまだある。経産省が今年2月15日に開いた有識者検討会で、会場施設の整備費用は約1300億円との試算を示したが、会場内輸送、パビリオン建設、施設の高層化などの検討によっては「上振れする可能性」がある、としたのだ。

これに委員として出席した関経連の森会長が反応し、「あまり上振れすることがないようにしてほしい」とクギを刺した。

関西財界関係者によると、万博の民間資金は経団連と関西財界が折半することになる見通しだが、関西は東京と比べ有力企業が少ない。株主の目も厳しくなっており、「つくって壊すだけ」の万博に資金を出すのは容易ではない。

森会長は検討会で、府の基本構想案が「(企業に負担を割り当てる)従来の奉加帳方式ではなく、民間投資を呼び込むアイデアを募るなど、新たな発想、手法による民間資金の積極的な活用を模索する」と明記したと強調。「(立候補を認める)閣議了解では開催経費についても何らかの考え方ぐらいは記載していただくべきではないか」と、政府にすがった。

これまでに万博のロゴマークを活用したスポンサー方式も議論されているが、進展はみられない。そんな中、関経連が期待するのは、大阪府や大阪市が万博会場に隣接して夢洲で整備を目指す、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)との連携だ。

森会長は有識者検討会で「夢洲の開発計画が固まれば、万博でつくって壊すことは少なくなる。それが企業の万博への参画意欲を引き出すことにもなる」と訴えた。

政府は5月下旬までに博覧会国際事務局(BIE)に開催地として立候補する。フランス・パリなどがすでに立候補しており、開催地が決まるとみられる来年11月のBIE総会に向けて、資金計画が重要な評価ポイントになるのは必至だ。経団連や政府にげたを預けて済む問題ではない。関西財界の本気度が問われる。

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