Logo sec

日本産キャビアで「世界トップ」狙う 養殖技術向上、ご当地ブランド拡大

2017/03/10

世界三大珍味の一つ、キャビアを生産する動きが国内各地で広がっている。チョウザメを養殖してその卵を塩漬けにした高級品を販売し収入増を狙うもので、養殖技術は年々向上。安定生産に成功した国内最大手ジャパンキャビア(本社・宮崎市)は国産品で初となる輸出を8日に開始した。チョウザメの大半が絶滅危惧種に指定される中、海外市場でも「日の丸キャビア」が注目を集めそうだ。

初輸出は香港向け

201703101132_1-300x0.jpg国産キャビアが初輸出された宮崎空港での記念式典で、パネルを手にするジャパンキャビアの坂元基雄社長(左)と河野俊嗣宮崎県知事(右)=3月8日、宮崎市

「日本人がおいしいと思うものは世界でも評価されるはずだ。日本産キャビアを世界のトップブランドにしたい」。ジャパンキャビアの坂元基雄社長は「宮崎キャビア1983」が初輸出された宮崎空港での記念式典でこう強調した。輸出されたキャビア1.64キロは香港の高級ホテルで振る舞われる予定だ。

ジャパンキャビアは宮崎県内15カ所でチョウザメを養殖。徹底した温度管理や独自の熟成技術などで高い品質のキャビアを安定して生産する点が評価され、全日本空輸の国際線ファーストクラスで提供される食材の一つにも採用された。

国内でのキャビア生産は完全養殖や量産技術の向上とともに各地で拡大。クロマグロの完全養殖で知られる近畿大の水産研究所(和歌山県白浜町)はチョウザメの養殖にも心血を注ぐ。

和歌山県新宮市の実験場で養殖され不定期で販売される「近大キャビア」は評価が高い。香川県東かがわ市では廃校の体育館を有効利用するため、いけすを設置し生産しており、飼育数は約1万匹を誇る。

発売まで苦難30年

テレビドラマ「下町ロケット」の撮影に協力した大阪市の特殊弁メーカー、フジキン(本社・大阪市西区)は、バルブ技術を生かして養殖施設を開発した。

1992年に人工孵化(ふか)に成功し、全国各地の企業や自治体に稚魚を出荷している。研究所のある茨城県つくば市で養殖したキャビアを「下町キャビア」として期間限定で販売した。このほか、岐阜県の奥飛騨温泉郷の「奥飛騨キャビア」も登場している。

宮崎県でのキャビア生産は苦難の連続だった。83年に養殖技術の確立に着手して以降、種苗の量産技術を確立し、2013年にキャビア販売を始めるまで30年かかった。

今後はアジアを皮切りに米国や欧州連合(EU)など世界市場を狙う。坂元社長は「宮崎が海外輸出の道を切り開き、関連産業全体の発展につなげたい」と意気込んだ。

あわせて読む

農林水産業

もっと見る
「農林水産業」の記事をもっと見る

海外進出

もっと見る
「海外進出」の記事をもっと見る

宮崎県

もっと見る
「宮崎県」の記事をもっと見る 「飲食」の記事をもっと見る