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ホテル小涌園が来年1月閉館 大衆化から高級化へ 変わりゆく箱根

2017/02/23

神奈川・箱根を代表する大型ホテルで約60年の歴史を誇る「箱根ホテル小涌園」が来年1月10日、その幕を下ろす。運営する藤田観光(本社・東京都文京区)は、箱根地区で高級宿泊施設の開発を進めており、施設の老朽化も要因。高度経済成長期以来、箱根の“大衆化”に寄与してきたホテル小涌園はその役割を終えることになる。

201702231453_1-300x0.jpg来年1月に閉館する「箱根ホテル小涌園」=神奈川県箱根町
ホテル小涌園はかつて別荘地だった箱根を、「一般大衆に開放しよう」と、藤田観光が箱根町二ノ平に昭和34年に開業。当時の箱根は、別荘を持つ富裕層を除けば、日帰り客の利用が多かったが、高度経済成長の進展により、国内旅行需要が飛躍的に伸びるとの予測を踏まえ、大型ホテルの建設に踏み切ったという。

◆日中友好の舞台に

45年には新館が誕生し、2000人規模の一大宿泊施設へと成長。「箱根といえば小涌園」と呼ばれるほどで、観光地・箱根の“顔”となった。

一方、日中両国の国交正常化前の36年に中国作家代表団を迎えたことを契機に、数多くの中国各界代表団がこぞってホテル小涌園を利用するなど、日中友好親善の舞台としても活用された。

その後の景気低迷や団体客の減少など旅行形態が大きく様変わりし、さらに近年の訪日外国人客や個人旅行の増加に伴い、同社は箱根地区の再開発を決断。ホテル小涌園の閉館という結論となった。

再開発の一環として同社は昨年3月、ホテル小涌園近くに宿泊特化型旅館「美山楓林(みやまふうりん)」を開業。国登録有形文化財建築物に指定されている「貴賓館」と「迎賓館」をレストランとして相次いで開業した。

◆さらなる高級施設も

今年4月には、小涌園周辺で全室露天風呂付きの旅館「箱根小涌園 天悠」の開業を控えており、さらなる高級宿泊施設の開発も検討中だ。

ホテル小涌園閉館後の活用方法は現時点では未定で、同社では「長きにわたり支えてくださったお客さま、関係者の皆さまに感謝申しあげます」とコメントしている。

箱根では金谷ホテル観光(本社・栃木県日光市)が今夏、仙石原に全室露天風呂付きの高級ホテルの開業を予定するなど、高級路線を打ち出す宿泊施設が増えつつある。藤田観光も高級路線で「宿泊ニーズの多様化に対応したい」としており、さらなる宿泊需要の開拓を進める方針だ。

箱根小涌園 藤田観光が開発したリゾートで、藤田家の別荘を譲り受け、箱根町二ノ平周辺に昭和23年に開業。当初は子供向け遊戯施設や日帰り温泉などが中心だった。34年に箱根ホテル小涌園が開業。45年に新館が開業し、大型ホテルとなった。平成13年に温泉リゾート「箱根小涌園ユネッサン」が完成した。

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