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静岡・清水港を国際クルーズ拠点に 香港の会社と提携、整備スタート

2017/02/19
201702172146_1.jpg清水港に寄港するゲンティン香港傘下「クリスタル・クルーズ」のクルーズ船=平成28年4月(静岡県港湾企画課提供)

増加する外国人旅行者に対応するため国土交通省は先月31日、清水港(静岡市清水区)などを「国際クルーズ拠点」に選定。静岡県はアジア最大のクルーズ会社「ゲンティン香港」と連携して清水港の整備を進める。昨年は18回だったクルーズ船の清水港の寄港数を平成32年までに90回に増やす目標を掲げている。

「正面に富士山」で心つかむ

静岡県は静岡市と連携して、JR清水駅周辺から清水港の江尻地区と日の出地区をつなぐ一帯を「清水都心ウオーターフロント地区」と位置づけ、平成24年度から地区の活性化に着手している。

その中でも日の出地区はクルーズ船が着岸できる岸壁整備などを目指していた。計画を進めている最中に国が「官民連携による国際クルーズ拠点形成計画書」を募集。まさに“渡りに船”でこの計画に手を挙げた。

清水港とタッグを組むことになったのは、日本に寄港する台湾発着クルーズのシェアの8割強を占めるゲンティン香港だ。

県港湾企画課港湾経営推進室の餅原太一郎室長は「清水港では富士山が正面に見ることができるというポイントがゲンティン香港の心をつかんだ」と分析する。

清水港は東日本での北東アジアクルーズの拠点化を目指し、今まで貨物・客船併用だった岸壁を22万トン級の船に対応できるクルーズ船専用岸壁に改良、貨物専用だった岸壁も7.5万トン級の船に対応できる貨物・客船併用岸壁に改良する予定。加えてターミナルビルや商業施設なども新設される。

清水港は平成元年に豪華客船「クイーン・エリザベスII」が寄港したのを皮切りに継続的に誘致活動を行い、平成25年に富士山が世界遺産登録されたのを契機に平均で年間7回程度だったクルーズ船の寄港数が13回に増加。平成28年には18回の寄港数を記録した。国際クルーズ拠点として運用を開始する平成32年には寄港数90回を目標にしている。

無料LANなどインフラ充実

クルーズ船で日本に寄港する観光客を誘致するためにもウオーターフロント計画の一環として、同課では無料公衆無線LAN「Wi-Fi」の拡充や案内看板の多言語化などを進めていくとしている。

餅原室長は「東京や名古屋に近く1泊だけでも十分に満喫できる魅力がある」として陸海の公共サービスなどを充実させていく。

さらには「フライ&クルーズ」として、静岡空港を経由して来日した観光客に静岡を満喫してもらってからクルーズ船に乗り継いでもらえるエリア作りを目指す。

しかし、クルーズ船は寄港地に降り立ったのち観光客は集団でバスに乗車し、静岡市を素通りしてしまうことがある。

そこで県としては観光客だけでなくクルーズ船も対象に交渉を開始。寄港地ではクルーズ船の食料などが補給される。そこで補給される食料に静岡市特産の食品を推薦し、クルーズ船内でも静岡市をPRしていく。

現在でも、静岡市内で生産された抹茶とミルクを使用した抹茶アイスを日本最大のクルーズ客船「飛鳥II」から年間1トンの申し込みを受けており、船内で無料提供している。今後は他の国際クルーズ船に対して、由比地区で採れる桜えびなど静岡市特産の食品を提案していく予定だ。

餅原室長は「国際クルーズ拠点を機に清水港を発着港へと発展させ、より静岡をアピールできる港にしていきたい」と話す。

                   ◇

クルーズ船での訪日 昨年は200万人、78.5%増

国土交通省は昨年10月から12月にかけて「官民連携による国際クルーズ拠点形成計画書」を募集。先月31日に清水港(静岡市清水区)の他に、横浜港(横浜市)、佐世保港(長崎県)、八代港(熊本県)、本部(沖縄県)、平良港(同県)の計6港が国際クルーズ拠点に選定された。

同省によると昨年にクルーズ船で日本を訪れた外国人旅行者は約199万2000人と前年に比べ78.5%増加。政府は平成28年に「訪日クルーズ旅客を平成32年に500万人」と目標を掲げた。

一方で、国内ではクルーズ船専用の岸壁が少なく、受け入れをさらに増やすためには港の整備が必要となる。そのため、目標の実現に向けた施策の一つとして「世界に誇る国際クルーズの拠点形成」が計画された。

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