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大阪万博テーマ案変更…「世界中が共鳴できるものに」 開催地決定のカギ握る途上国の賛同狙う

2017/02/16

2025年国際博覧会(万博)誘致に向け、経済産業省は2月15日の有識者検討会で、大阪府が掲げていた「人類の健康・長寿への挑戦」に代わる4つのテーマ案を示した。これによって、より広義のテーマに変更される見通しとなったが、背景には、開催地決定のカギを握るとされるアフリカや中南米など発展途上国の賛同を得なければならないという事情がある。

大阪府案「人類の健康・長寿への挑戦」→「創造」「共生」「幸福」「未来」

201702161148_1-300x0.jpg2025年国際博覧会の計画に関する検討会。大阪府の松井一郎知事(中央)と、スポーツジャーナリストの増田明美さん(左)=2月15日、経済産業省

「立候補する上で、世界中が共鳴できる課題や新たな社会の姿を問うテーマを提案する必要がある」。検討会に出席した世耕弘成経産相はこう強調した。

経産省は万博の新たなテーマとして「いのちを支える社会の創造」「共に輝く生命、輝き続ける地球」「人類の進歩と幸福の再考」「未来社会をどう生きるか」の4案を提示。

これに対して、スポーツジャーナリストの増田明美さんが「票を持っているのは圧倒的にアフリカ。途上国が参加しやすい万博の視点を大事にすべきだ」と述べ、テーマの拡大に賛意を示すと、ほかの委員からも同意する意見が相次いだ。

万博開催地は、博覧会国際事務局(BIE、本部・パリ)の加盟国の投票で決まる。投票は来年秋に迫っている上、各国のパビリオン出展などの協力も取り付けなければならず、短期間で多くの国の賛同を得られるテーマが求められる。

大阪府によると、今年1月現在のBIE加盟国は168カ国で、内訳はアフリカ49カ国▽ヨーロッパ46カ国▽中南米30カ国▽アジア18カ国▽中東14カ国▽オセアニア11カ国。2005年愛知万博の際には、ヨーロッパを中心とする82カ国だったが、その後、中南米やアフリカなど発展途上国の加盟が急増した。

ライバルはパリ市

2025年万博誘致にはフランス・パリがすでに立候補。ヨーロッパ圏など関わりの深い加盟国はパリに傾くことも予想され、誘致実現には全加盟国の半数近くを占めるアフリカ、中南米各国の支持が不可欠な状況だ。

大阪府はライフサイエンス産業が集積する大阪、関西の強みを生かし、「健康・長寿」をテーマに設定したが、乳幼児の健康問題に直面している発展途上国にとって、長寿は身近な課題と認識されない可能性がある。昨年12月の検討会初会合では、委員から「テーマを広げるべきだ」という意見が出ていた。

この日の検討会終了後、松井一郎知事は記者団に「府案がバージョンアップされた。『健康・長寿』の要素は含まれている」と経産省案に理解を示した。ただ、委員の中には「抽象的なテーマでは意味がない」といった声もあり、同省は今回の議論を基に、3月の次回会合までテーマ案の検討を続ける。

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