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民泊 法制化の最終報告書まとまる 政府の有識者会議

2016/06/21
201606211354_1-300x0.jpg民泊新法に関する最終報告案を了承した有識者会議。会合には毎回、参入を目指す不動産事業者ら約200人が傍聴に詰めかけた=2016年6月20日、東京都千代田区平河町の都道府県会館

一般住宅に有償で客を泊める「民泊」の法制化を議論してきた政府の有識者会議は6月20日(月)、最終報告書を取りまとめた。

新法では、ホテルなどの営業が認められない住居専用地域でも民泊を設置できるよう規制を緩和する。

一方、年間の営業日数には上限を定め、通年営業する場合は旅館業法を適用する。

2020年東京五輪・パラリンピックに伴う訪日外国人旅行者の増加を見据え、合法的な民泊の普及を図る。

最終報告書は、民泊があくまで「住宅」であると定義し、住居専用地域での営業に道を開いた。

一方で自治体が、民泊の営業を認めない条例を制定することも可能とした。

180日を超えるなら「簡易宿所」

新法では年間 180日以下の範囲内で営業日数の上限を定める。

日数の上限を超えて営業する場合は、カプセルホテルと同じ「簡易宿所」と位置付ける。旅館業法が適用され、住居専用地域での営業はできない。

家主同居か否か

家主が居住する住宅に宿泊する「ホームステイ型」の場合、施設提供者は自治体などへの届け出制とし、

  1. 利用者名簿の作成
  2. 最低限の衛生管理
  3. 苦情への対応

-などを義務化する。

家主が居住していないタイプの場合、施設提供者は届け出制とする一方、施設管理者を登録制とし利用者名簿の作成、苦情対応などを請け負わせる。これらの要件を守らない場合、業務停止などの行政処分を科すほか、罰則も適用する。

厚生労働省と観光庁は、与党との調整を経て法案を作成、平成28年度中の国会提出を目指す。

「いたずらに反発招く」貸し手に戸惑いも

今回の報告書によれば、インターネットの簡単な届け出で住居専用地域での営業が可能となる一方、民泊提供が外部から分かるよう「標識」を掲げることなどが義務付けられる。

だが、既に民泊を行っている貸し手から「いたずらに近隣住民の反発を招く」との声があるほか、独自の規制を検討する自治体もあり、なお課題も残る。

「(新法は)車の法定速度みたいなもの。きっちり速度を守ることにメリットはない」

東京都三鷹市に所有するマンションの一室を民泊として提供する男性(63)はこう話す。

男性は昨年5月以降、自宅とは別に妻の仕事部屋として使用していた3LDKの部屋を民泊として貸し出す。これまで「三鷹の森ジブリ美術館」目当ての海外観光客など約80組が宿泊、100万円近くの収入を得た。「収入以上に、一緒に食事に行くなどの交流が楽しみだった」という。

騒音などのトラブルはなかったが、最近になって近隣住民から「見知らぬ外国人の出入りは気持ち悪い」と苦情があり、管理組合が規約を変更。民泊禁止が盛り込まれた。男性は別のマンションを探し、民泊を継続する予定という。

「民泊新法」を見据えた報告書によると、民泊は住宅地を含め“全面解禁”とするが、管理規約で禁じるマンションでは営業できない。

また、宿泊者のパスポートの写しを含む名簿の作成や、外部から民泊提供が分かるような標識の掲示、男性のケースのような「家主不在型」では、標識に管理者の連絡先を示すことも義務付けるなど、防犯対策が新たに加わる。

民泊まとめ

  1. 民泊はあくまで「住宅」とし、住居専用地域でも設置できるよう規制を緩和する
  2. 年間 180日以下の範囲内で営業日数の上限を決める
  3. 通年営業するなら、これはもう「簡易宿所」。旅館業法を適用する
  4. 旅館業法を適用すれば、住居専用地域での営業はできない

民泊2タイプ 家主が居住する住宅に宿泊する「ホームステイ型」の場合施設提供者は自治体などへの届け出制とすし、以下を義務付ける

  1. 利用者名簿の作成
  2. 最低限の衛生管理
  3. 苦情への対応

家主が居住していないタイプの場合

  1. 施設提供者は届け出制とする
  2. 施設管理者を登録制とし利用者名簿の作成、苦情対応などを請け負わせる

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