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海外事業者と消費者トラブル激増 相談の3割は中国の事業者 消費者庁、国際的相談体制強化へ

2017/02/12

ネット商取引が普及し、海外事業者との消費者トラブルが激増する中、消費者庁が、消費者の相談の約3割を占める中国の事業者に関するトラブル解決を支援するため、中国の消費者機関との連携を目指していることが分かった。既に連携関係にある米国や韓国などの消費者機関とともに国際的な相談体制の強化を進める。

201702091316_1-300x0.jpg海外事業者との消費者トラブルは国民生活センター越境消費者センター(CCJ)が取り扱っている。

CCJが相談受け付けを開始した平成23年10月から28年3月までの相談総数は1万6143件。海外事業者の所在国で最も多かったのは米国で32%。以下中国29%、英国15%-と続いている。

27年6月から10カ月間の相談を分析したところ「解約トラブル」が50%、「詐欺疑い」が22%、「模倣品到着」が8%。中国企業に関する相談は詐欺や模倣品に関するトラブルが大半を占めていた。

こうした状況を受け、消費者庁は、中国国家工商行政管理総局の直属機関で、消費者の権利保護を取り扱う中国消費者協会に連携を打診。現在は、意見交換を進めているという。

CCJは、消費者が海外事業者と交渉すべき内容を外国語に翻訳するなどの支援を実施している。既に米国や韓国、台湾など20カ国・地域を管轄する10の海外消費者機関と連携関係を結んで相手事業者に解決を促しており、消費者庁は中国にも同様の連携を求めたいとしている。

「悪徳商法」解約に言葉の壁

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CCJによると、昨年以降目立つのは、特定商取引法(特商法)を順守せず、必要な契約書面を交わさなかったり、解約に応じなかったりする海外事業者の“悪徳商法”に関する相談だ。取引の入り口は日本語のインターネットサイトだが、トラブルが発生すると外国語での交渉を求められ、解決が難しくなるケースが多いという。

「ママ友から『ブログで在宅ビジネスのPRをし、興味を示した人を勧誘できたらマージンが入る』と誘われ、数十万円支払い、ブログの書き方などのノウハウ情報を得たが、勧誘できず元が取れない。本社は米国にあるが解約するにはどうすればいいか」

昨年、CCJに寄せられた相談の一例だ。特商法で規制している「業務提供誘引販売取引」(内職商法)と「連鎖販売取引」(マルチ商法)に当たるという。特商法では、内職商法とマルチ商法について、消費者が契約前に十分な情報を得られるよう、事業者はビジネスの仕組みを詳しく説明した「法定書面」を契約前と契約時に計2通交わすことが求められている。

しかし、相談のケースでは、LINE上のデータで「契約書らしきもの」(CCJ)が交わされただけで、正当な手続きが踏まれていなかった。本来はクーリングオフが可能で、CCJを通じて米国の本社に連絡を取ったが、「交わした契約にはトラブルが起きた際の裁判管轄が米国にあると記載している」と反論され、返金には応じてもらえていないという。

米国企業が運営する会員制ショッピングサイトの代理店勧誘に関する相談も目立つ。「代理店になって下部会員を獲得すれば、さらに還元率が上がる」といった触れ込みで勧誘が行われる「典型的なマルチ商法」(CCJ)だ。

このケースでも、契約に必要な法定書面が交わされていないことがある上、日本国内に支社がないため、解約に関する相談が数多く寄せられているという。

消費者庁取引対策課は、「一般論として、日本に法人がない外国企業のビジネスであっても、日本国内での会員勧誘行為には特商法が適用される」と指摘。法定書面が交わされないのは違法行為になるという。CCJ担当者は「クレジットカードで決済した場合、相手企業の違法行為をカード会社に説明できれば引き落としを止められることもある。まずは相談を」と呼びかけている。(篠原那美)

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