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【2017成長への展望】セイコーホールディングス・中村吉伸社長 訪日客需要「引き締まっている」高級品から必需品にシフト

2017/01/29

201701271755_1-300x0.jpg--主力の腕時計事業の戦略は

「引き続き高価格帯に注力し、中長期的にブランドイメージ向上を目指す。かつて収益を押し上げていたインバウンド(訪日観光客)の需要は引き締まってきている。中国は政府の倹約令や関税アップの影響で、高級品から生活必需品に需要がシフトしている状況だ。国内はインバウンドを除けば、前年よりも伸びている。海外も米国で苦戦しているが、現地通貨ベースでは上昇している。2017年度は、製造拠点の統廃合も視野に、為替に影響されない体制を作りたい」

--海外へはどう展開するか

「まずは、当社のブランド認知度が比較的高い中国、東南アジアをターゲットにする。高級品を扱う銀座、大阪のプレミアムブティックを含め、72店舗のブティックを世界展開しているが、18年には100店舗にまで増やしたい。米国などではスマートウオッチ市場が活況を呈しているが、当社のグランドセイコーやアストロンといった高級品とは競合しない。商品を手にとってもらえば、必ず気に入ってもらえる自信はある」

--商品のPR戦略は

「女性向けのグランドセイコーは、働く女性にふさわしい実用的な時計としてアピールし、女優の天海祐希さんにイメージキャラクターを務めてもらっている。かつてグランドセイコーは、キャラクターを起用していなかったが、プロ野球のダルビッシュ有投手を起用した際、大きな効果があった。最近では、アストロンのCMに大谷翔平選手に出演してもらっている。スポーツ選手の影響力は大きい」

--スマートフォンの台頭の影響で、若年層の時計離れへの懸念はないか

「幼い時期から時計に親しんでもらうことが重要だ。子供の職業・社会体験施設『キッザニア』の教育プログラムで、目覚まし時計の組み立て作業を体験してもらうなど、生活の中に時計を浸透させる取り組みも行っている」

--傘下の高級雑貨店「和光」の位置づけは

「和光の時計台が発信するブランド効果は現在も絶大で、金銭に換えられない価値がある。若年層には高級店のイメージが強すぎるようだが、お手頃価格の商品もある。ただ、カジュアルにスタイルを変化すれば、既存の利用客に来てもらえなくなる可能性もあり、展開の仕方は難しい。世代を越えて、また、何年にもわたって継続的に足を運んでもらえる店舗であり続けることが重要だ」

                   ◇

なかむら・よしのぶ 慶応大工卒。1972年精工舎(現セイコークロック・セイコープレシジョン)入社。セイコーウオッチ常務、セイコーホールディングス専務などを経て、2012年から現職。千葉県出身。

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