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中国春節スタート アパホテル禁止令の影響は? 爆買い鈍化…小売りの現場は

2017/01/27

中国で1月27日から始まる春節(旧正月)の大型連休を目前に控えた26日、中国各地の鉄道駅などでは、故郷や観光地に向かう人の移動が最後のピークを迎えた。

海外旅行先トップはタイ、日本は3位

201701271047_1.jpg春節を前に帰省する人々で混雑する北京駅=1月26日(西見由章撮影)

中国の旅行予約サイト「携程」によると、連休期間中に海外に向かう旅行客は前年並みの約600万人。旅行先のトップは昨年に続いてタイで、次いで日本、米国、シンガポール、オーストラリアとなっている。

一方、昨年3位だった韓国は7位に転落した。米軍の迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備をめぐり、中国は韓流スターや韓国製品を中国から締め出す「禁韓令」を出すなど圧力を強めている。韓国への旅行も旅行代理店などを通じて制限されているもようだ。

また、中国メディアは連日、アパグループのホテル客室に「南京大虐殺」や「慰安婦の強制連行」を否定する書籍が置かれていると非難する報道を展開。中国国家観光局も利用ボイコットを呼びかけるなど国を挙げてアパホテルを攻撃しているが、期間中の中国人の訪日にどの程度影響が出るかは不明だ。

北京駅は26日、両手に故郷への土産などを抱えた帰省客でごった返した。家族と一緒に帰省していた女性(40)は「江西省まで13時間かけて帰ります。北京よりも空気がいい故郷で団らんしたい」と話していた。(北京 西見由章)

百貨店各社、中国企業との提携に活路

27日からの中国の春節休暇を控え、大手百貨店は旅行サイトなど中国企業との提携を進めた。中国人旅行者が高額品を複数買い込む“爆買い”は影を潜め、訪日客の消費が化粧品など単価の安い商品に軸足を移す消費行動の変化に対応するためだ。これまでは円安が中国人観光客の消費を後押しした。だが、トランプ米大統領はドル高を牽制(けんせい)するような発言もしており、百貨店各社は“トランプ相場”の行方を注視している。

日本百貨店協会によれば、平成28年の訪日外国人の売上高は前年比5.3%減と、5年ぶりのマイナスだった。一方、購買客数は18.5%増と5年連続のプラスで、訪日客1人当たりの消費規模の縮小が顕著だ。

高島屋の木本茂社長は訪日客の消費が「化粧品など(単価の安い)消耗品にシフトしている」という。また従来のツアー客ではなく、リピーターを中心に個人旅行者も増えている。

こうした変化に対応し、高島屋は中国最大のインターネット旅行会社「携程旅行網(シートリップ)」と昨年4月に提携し、キャンペーン情報などの掲載を始めた。

大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJ・フロントリテイリングは「個人旅行者は飲食への支出が多い」(幹部)とし、中国最大級のグルメ情報アプリ「大衆点評」と提携。昨年から同社の店舗を検索できるようにし、今年1月からは訪日客向けの広告も行った。

トランプ氏の当選が決まった昨秋以降はドル高円安が進み、「訪日外国人が買い物をしやすくなった」(J・フロントの山本良一社長)という。

ただ、トランプ氏は就任後、米メディアに対し「ドルは強すぎる」と警戒感を示しており、今後の外国為替市場の動向は不透明だ。円高傾向に転じれば、訪日客の消費落ち込みも予想される。

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