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人間国宝・富本憲吉の生家を古民家ホテルに改装 3月1日から受け付け

2017/01/23

近代陶芸の巨匠で第1回人間国宝に認定された奈良県安堵町出身の富本憲吉(1886~1963年)の生家が古民家ホテル「うぶすなの郷 TOMIMOTO」として改築された。3月1日から宿泊を受け付ける。文化庁によると、人間国宝の生家がホテルに転用される例は「聞いたことがない」といい、注目を集めそうだ。

201701231208_1.jpg宿泊客室「竹林月夜(ちくりんげつや)」。富本憲吉の精神を肌で感じられる空間になっている

英国に留学し、陶芸家、バーナード・リーチとの出会いを機に作陶を始めた富本は青磁や白磁、染め付けのほか、赤地に金銀で模様を描く「色絵金銀彩」などを手がけ、故郷の風景や草花をモチーフに独創的な模様を編み出した。現在も根強いファンがおり、全国で巡回展が開かれている。

生家は富本の没後、親交があった同郷の実業家・辻本勇氏が譲り受けて整備し、「富本憲吉記念館」として運営。辻本氏自ら集めた作品や資料約500点を収蔵、公開していたが、平成20年に辻本氏が亡くなると維持管理が困難となり、24年5月に閉館した。

所蔵品には評価額数千万円のものもあったが、全国の美術館に寄贈されたり、オークションにかけらりして散逸した。

26年、奈良市の公益社団法人「ソーシャル・サイエンス・ラボ」が「歴史的価値があり、存続させるべきだ」と土地と建物を約3000万円で取得。町の支援も受けるなどして宿泊施設として改修した。

完成したホテルは延べ約370平方メートルで、富本の代名詞ともいえる「四弁花模様」の題材となったテイカカズラなど、四季折々の草花や樹木が彩る庭園を望める部屋と、法隆寺の大野玄妙管長の書が飾られたレストランを備える。

宿泊は1日2組限定。若手陶芸家のための工房とギャラリーもあり、観光交流や文化振興の拠点としても期待されている。

1月21日行われたオープンニングセレモニーでは関係者がテープカット。安堵町の西本安博町長は「生まれ変わった生家が文化の発信基地になればうれしい」と話した。

 

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