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関空に激震 「親関西」トルコ航空大手撤退、欧州便激減で「ツアーが作れない」

2017/01/20

トルコ航空大手ターキッシュエアラインズ(TA)が、1月末で関西国際空港から撤退する。相次ぐテロで搭乗率が落ち込んでいるのが背景だが、TAはトルコ最大の都市イスタンブールを拠点に就航する国数が航空会社で世界一を誇る。TAを使っての欧州やアフリカ方面への乗り継ぎ需要は大きく、旅行会社は「ツアーが作れない」と嘆く。欧州便が激減する関空の長距離便は正念場を迎えている。(藤原直樹)

世界一の空港

201701201137_1.jpg関西国際空港から撤退するターキッシュエアラインズの機体=イスタンブールのアタチュルク国際空港

TAは世界119カ国・295都市に就航しており、国数では世界一となっている。欧州方面では大都市だけでなく、中都市や小国の首都にも就航。アフリカや中東も強い。

機内サービスにも定評がある。日本向けなど長距離便では、エコノミークラスでも靴下や歯磨きセットが入ったアメニティーを配布。搭乗直後にはトルコの郷土菓子も配られる。ビジネスクラスでは、「フライングシェフ」と呼ばれる料理人が搭乗。機内食の調理だけでなく、搭乗者の目の前で配ぜんも担当する。

また、拠点となるイスタンブールのアタチュルク国際空港は、TAの就航国の多さを背景に世界のハブ(拠点)空港としての地位を確立している。ロンドンやパリなど欧州のハブ空港は複数のターミナルを持つが、アタチュルク空港は主要ターミナルが1つのため短時間での乗り継ぎが可能。免税店や飲食店もほとんどが24時間営業で、深夜や早朝でもにぎわっている。

旅行会社幹部は「TAは欧州の他の航空会社と比べて料金も割安のため、旅行慣れした人から抜群の人気を集めている」と説明する。

旅行会社悲鳴

TAは日本で、成田空港と関空からそれぞれイスタンブールを結ぶ2路線を運航。昨年の夏季ダイヤまではそれぞれ週7便だったが、冬季ダイヤから関空線が週4便に減便となった。

トルコでテロが相次いだことで観光需要が減退。テロの脅威が欧州全体に波及したことで欧州方面の乗り継ぎも低迷したためだ。

それでも、関空の関係者は「TAは最後まで路線維持に向けて尽力していた」と明かす。明治23年にトルコからの使節団を乗せた軍艦が和歌山県沖で沈没した「エルトゥールル号遭難事件」で、地元住民らが必死に救助に当たったことが、同国と関西のきずなとして記憶に残っているからだ。

それにもかかわらず撤退が決まった。関空の欧州方面は冬季ダイヤで週29便から22便まで減少。TAの撤退で18便まで落ち込むことになり、欧州便の不振は危機的状況といえる。

これに悲鳴を上げるのが旅行会社だ。欧州でもイタリアやフランスなど人気国以外のツアーは熱心な旅行好きに支えられているため、価格競争になりにくく収益性が高い。TAの撤退でツアー先の選択肢が大きく減ることになる。

正念場の関空

関空は昨年4月からオリックスと仏空港運営大手バンシ・エアポートなどが出資する関西エアポートが運営。路線誘致において世界35空港の運営に参画するバンシの手腕に期待が高まったが、有効な対策はまだ打ち出せていない。

関西エアの山谷佳之社長は「お金をばらまいて航空会社に来てもらうのは違うと考える」と話しており、拙速な路線誘致は避けたい考え。時間がかかりそうだが、手をこまぬいているわけではなく、昨年10月には欧州の旅行情報を届けるイベントを初めて関空外の大阪市内で開いた。参加料も前年までの無料から千円に変更したにもかかわらず、数百人の参加があった。

ところが、昨年12月にはドイツでクリスマス市にトラックが突入、年明けにはトルコのナイトクラブで銃が乱射されるテロが発生。路線誘致を担当する関西エア幹部は「需要回復の兆しがみられたらテロが起きるという悪循環が続いている」と頭を抱える。欧州便の苦戦はしばらく続きそうだ。
 

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