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2016年の訪日外国人観光客数、旅行消費額ともに過去最高を更新 インバウンド需要は今後も期待

2017/01/18

日本政府観光局(JNTO)が1月17日発表した2016年の訪日外国人観光客数(推計値)は前年比21.8%増の2403万9000人となった。JNTOが統計を取り始めた1964年以降で最多を記録した。また、観光庁が同日まとめた昨年1年間の訪日外国人旅行消費額(速報)も前年比7.8%増の3兆7476億円となり、過去最高となった。

中国人観光客による「爆買い」の沈静化や前年に比べ為替レートが円高に推移するなど大きなマイナス要因があったものの消費額はプラスを確保。中国を除く外国人観光客の本国内での消費意欲は依然として堅調に推移している。

初の2000万人突破、政府の受け入れ策が奏功

201701181559_1-300x0.jpg雷門の前で記念撮影する外国人観光客ら=17日、東京都台東区(寺河内美奈撮影)
訪日客数が過去最多を更新したのは2012年以来4年連続。政府が目標とする2020年の訪日客数達成に向けて大きな弾みをつけた。

市場別にみると、中国は637万人と初の600万人台を突破。昨年に続き最大の訪日マーケットとなった。また、韓国が500万人、台湾が400万人の大台をそれぞれ初めて突破。香港を加えた東アジアの4市場で前年比23.1%増の1700万人に上った。

また、欧米や豪州からの訪日客も295万6000人と300万人を上回る規模となった。

観光庁が設定する主要20市場で前年比マイナスとなったのはロシアのみで、中国などでのビザの発給条件の緩和や、免税の対象となる物品の最低購入金額を「1万円超」から「5000円以上」に引き下げた消費税免税制度の拡充をはじめ政府が立て続けに訪日客受け入れ策を打ち続けたことが大きな効果を上げた。

爆買い沈静化の影響は2000億円…でも、今が正常?

一方で、訪日外国人の旅行消費額は過去最高ではあるものの、伸び悩んでいるようにもみえる。
右肩上がりが続いていた訪日旅行者の1人当たりの旅行支出は全体で15万5896円と前年比11.5%減少。一人ひとりの支出が減った分を訪日客数の増加が埋め合わせた格好だ。

特に流行語にもなった中国人の「爆買い」は、中国当局が関税を引き上げた昨年春を境に下降線をたどり、中国の1人当たり旅行支出は23万1504円と前年比18.4%も減少してしまった。観光庁の試算によると、昨年4月以降の9カ月間で関税引き上げと、中国人がその後、積極的に活用するようになった越境EC(電子商取引)の利用を合わせた買い控え影響額は総額2000億円に上るとしている。

1人当たりの支出額が減ったのは中国だけではない。豪州、ドイツを除き主要18市場が軒並みマイナスとなった。

ただ、その背景にあるのは円高で、旅行消費額が多い中国、台湾、韓国、香港、米国の上位5市場で、現地通貨ベースで旅行支出をみると、中国を除いて前年同期比で増加しており、消費意欲が衰えているわけではないのだ。

訪日客の消費の変化をいかにとらえるか

インバウンド業界に詳しい専門家の多くは「『爆買い』と言われた中国の消費の多くはビジネスが目的で特殊な状況で、正常な状態に戻っただけ。インバウンド需要は今後も期待できる」と口をそろえる。政府が東京五輪・パラリンピックの開催年である2020年を照準にした政府目標は訪日客4000万人、訪日外国人旅行者消費額を8兆円と設定しているが、決して高いハードルではないと指摘も多い。

中国では団体旅行が減る一方で、個人旅行客が増加。旅行支出は、買い物代が減少する一方で、宿泊料金や飲食代、交通費が増加するなどインバウンドをめぐる環境はめまぐるしく変化している。

「爆買い」の急速な変化で、インバウンドに商機を探っていた企業の中には思うような成果を上げられず、撤退を余儀なくされたケースも少なくないが、インバウンド需要取り込みのカギを握るのは、国によっても異なる訪日客の消費ニーズの変化をとらえ、的確にとらえた商品やサービスを提供すること求められる。

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