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「民泊」営業日数、条例で制限 新法案 衛生管理や苦情対応を義務づけ

2017/01/16

一般住宅に有料で旅行客らを宿泊させる「民泊」のルール作りをめぐり、政府が通常国会に提出する新たな法案の詳細が判明した。民泊サービスの提供に都道府県の届け出を必要とするほか、一定の衛生管理や苦情対応を義務づける。焦点となっていた年間営業日数は180日以内とするが、地域の実情なども踏まえ、日数や時期を条例で制限する方針。

提出される「住宅宿泊事業法案(仮称)」では、サービス提供に必要な手続きについては、旅館業法の許可制よりも簡易な届け出制とし、住宅専用地域での営業も認める。

一方で旅館業者と区別するため、営業日数には制限を設けるほか、閑散期に供給過多にならないよう、地域での競合環境も踏まえ営業期間を限定する仕組みを検討する。

事業者である家主が施設に同居するタイプの民泊では、家主に宿泊者名簿の作成や、ごみ処理など最低限の衛生管理、周辺住民とトラブルになった場合の対応を義務づけることでサービスの質を確保する。

家主が同居しない場合は、国土交通省に登録した管理業者への委託が必要となる。管理業者は家主が同居する場合と同等のサービスを提供する責任があり、国交省に監督権限を付与する。

インターネットなどで民泊の仲介を行う業者は、観光庁への登録が必要とし、宿泊者に対して契約内容の説明義務を負うとした。

訪日外国人旅行者数の急増などに伴い、都市部を中心に宿泊施設の需給逼迫(ひっぱく)が続いている。

2020年に4000万人という目標達成には受け入れ態勢の拡充が不可欠で、政府は昨年4月に旅館業法に基づく簡易宿所の枠組みで解禁した。ただ“ヤミ民泊”が続発しており、厚生労働省と国交省が新制度の設計を進めていた。

「民泊」参入の要件緩和 違法減少への期待も…新法案は新たな活路となるか

「民泊」の年間営業日数を自治体が条例で制限できるようにするなど、政府が20日召集の通常国会に提出する新たな法案の詳細が明らかになった。

民泊については、国家戦略特区を活用し大阪府と大阪市、東京都大田区が導入してきたが、事業者による新規参入は伸び悩んでいるのが現状だ。手続きの煩雑さなどが背景に指摘されてきたが、今回の新法案による届け出制の導入や要件緩和によって民泊サービスが軌道に乗るのかが注目される。

民泊は、急増する外国人の宿泊場所の確保を目的に府が昨年4月、市も10月から導入。事業者向けの説明会を開くなどして周知に努めてきたが、参入業者は現在、府が4事業者、市が8事業者にとどまる。

背景として6泊7日だった最低宿泊日数の規定や、近隣住民への説明要件のハードルの高さなどが指摘され、今年から府市ともに2泊3日へと規定を緩和。市には今年から7件の申請があったという。

一方、許可を取らずに営業する“ヤミ民泊”は大阪市内だけでも1万件以上にのぼるといわれ、ゴミ出しや騒音などのトラブルが問題化。

府市ともに指導を強化しているが、インターネット上の仲介サイトには住所や連絡先の記載がないことも多く、「施設の位置を把握することすら難しい」と悩みの種となっている。

民泊に詳しい和歌山大観光学部の広岡裕一教授は「新法の要件緩和で事業者側が違法に営業する理由がなくなれば、合法民泊が増える。結果的に悪質な民泊が目立つことになり、取り締まりやすくなる」と指摘。「特区だけでなく全国で民泊ができるようになり、住宅専用地域でも営業できれば、本来の『暮らすように旅する』という民泊のコンセプトにも合う」と話した。

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