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長野県の観光が変わる “世界級の山岳高原リゾート”へ加速 夏の「誘客活動」起爆剤

2017/01/06

日本アルプスや軽井沢をはじめとする山岳や高原、日本有数の温泉地など多くの観光資源を抱き、それゆえに「過去の栄光」にあぐらをかいてきた長野県の観光が今年、大きく変わろうとしている。県や市町村、観光事業者は7~9月、信州を舞台にJRグループが繰り広げる大型観光誘客活動「デスティネーションキャンペーン(DC)」を大きな飛躍のチャンスとして、官民総がかりで「世界水準の山岳高原リゾート」の実現に向けた動きを加速させる。

官民が一体で

DCは、デスティネーション(Destination=目的地、行き先)とキャンペーン(Campaign=宣伝活動)を組み合わせた合成語だ。JR6社と地方自治体、観光事業関係者が一体で取り組むことで、大きな誘客効果が生まれる。

JR6社は期間中、テレビCMや駅へのポスターの一斉掲示など、全国を舞台としたPR活動を展開する。合わせて開催場所を目的地とした多彩な旅行商品の企画販売を集中的に行い、観光客をその地域に送り込む。受け入れる自治体や観光関係者は、持てる観光資源にさらに磨きをかけ、「おもてなし」の質の向上を図る。

県が開催地となるのは、平成22年秋(10~12月)に続いて5回目だ。前回は、前年同期比で4.8%増となる1663万7000人の旅行者を呼び込み、観光消費額も前年同期比4.4%増の611億9300万円に達した。民間シンクタンクは、その経済波及効果を110億6000万円と弾き出す。

このとき女優の吉永小百合さんを起用したテレビCMで話題となった長野市の戸隠高原は、前年同期比で47%も観光客が増加し、現在も有数の人気スポットとしてにぎわいを見せる。DCイメージキャラクターとして生まれた「アルクマ」は、県PRキャラクターとして定着し活躍している。

山の魅力ふんだん

今年のDCは、「世界級リゾートへ、ようこそ。山の信州」がキャッチフレーズだ。国民の祝日「山の日」制定の第1回記念式典が昨年8月、松本市上高地で行われたように、「山の魅力にあふれる信州」は誰もが認めるところだ。その山が生み出す自然や歴史、文化、食、健康などの情報を、県外のみならず国外にも発信する事業や誘客活動が行われ、受け入れの準備が進んでいる。

県内の自治体と観光事業者などによる官民組織「信州キャンペーン実行委員会」(会長・阿部守一知事)は、県産食材を使った料理や地酒を宿泊施設や飲食店に浸透させて食の魅力を磨く。県民に呼びかけ、観光バスや列車に手を振る「信州DCおもてなし隊」の歓迎活動などにも力を入れる。

DCをにらみながら県は28年度、「観光大県づくり」を掲げるとともに、庁内部局長らをメンバーとした県観光戦略推進本部(本部長・阿部知事)を発足させた。日本版DMO(地域経営の視点を持った観光法人)を目指す県観光機構(旧信州・県観光協会)と車の両輪となり、官民一体の施策推進態勢の構築を目指している。

3本柱で攻略

そして県は今年、さらにその先にある、揺るぎない「世界水準の山岳高原リゾート」形成に向けて“攻略図”となる観光戦略を練る。そこには(1)アウトドアやヘルスツーリズムなどを内容とした「自然と健康」(2)地域ごとに多様な伝統を楽しむ「歴史・文化」(3)誰にも障壁がない「ユニバーサル」-を3本柱にした施策が描かれる予定だ。

戦略が決まれば、県の総力を挙げて関連施策を進める。そこには、おもてなし力に加え、訪れた人を満足させる観光プログラムや、観光地周辺の道路や施設などのインフラ環境も“世界級”となることが求められる。

DCは単なる誘客キャンペーンにとどまらず、観光に携わる全員の底力を引き出し、信州観光が未来へ大きく飛び立つ強力な起爆剤となることに期待がかかる。
 

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