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金粉蒔絵や漆仕上げのトイレ…豪華装飾でニッポンの美アピール 構造上難しい着色を可能に

2016/12/30

トイレを華やかに彩り、訪日外国人らに日本の美意識をアピールしようと、住宅設備機器卸の「さかもと」(本社・宇都宮市)が全面着色の便器を発売した。「朱赤(しゅあか)」「群青」「漆黒」の3色を用意。金粉蒔絵や漆仕上げなどの高級感ある装飾サービスに加え、壁や照明などトイレの空間演出も手がける。ホテルや旅館、和食店などに売り込み、高級感の演出と日本の伝統美の発信で差別化を提案する。

日本の粋を表現

201612281811_1-400x0.jpg内覧会で「BIDOCORO」シリーズについて説明する坂本英典専務

同社が11月末に発売した「BIDOCORO(ビドコロ)」シリーズは、衛生陶器メーカーのジャニス工業(本社・愛知県常滑市)の便器を使って独自に塗装する。

無地単色の「草(そう)」(税別33万円)、金粉蒔絵風デジタル写し装飾の「行(ぎょう)」(55万円)があり、朱赤と漆黒はふたを漆塗りで仕上げる「真(しん)」(77万円)を加え、3段階を用意する。

基本タイプの「草」で一般的な多機能便器より1割高い程度だ。

塗装は特殊車両などの塗装施工で実績がある池田塗装(本社・宇都宮市)が手がけ、漆仕上げやブランドイメージをアピールするパンフレットなどの写真でも地元の専門家を起用する。

さかもとの坂本英典専務(45)は「明治時代には染め付けを施した便器があった。近代日本人は粋だなと感じる。現代風にアレンジし、日本の美意識の高さをアピールしたい」と意気込む。

情熱で課題クリア

ただ、便器は汚れが付きにくく作られている。装飾を定着させるのは極めて難しい課題だった。池田塗装の池田貴典社長(46)は「頼まれたときは『難しいよ』と言った。坂本さんの思いが強くなければ、形になっていない」といい、試行錯誤の末、塗装に35前後の工程を重ねる。今後も合理的な方法を追求するが、「クオリティーは落としたくない」と手間がかかるのは覚悟の上だ。坂本専務も「多くの人の協力があった」と感謝する。

坂本専務によると、現在の便器は白がほとんどだ。「バブル経済の頃は各メーカーがカラフルな便器も出していた」というが、その後、効率化が求められる中で標準タイプに絞られた。

だが、海外からの訪日観光客が急増する中、坂本専務は「トイレを使用するたびに日本の文化や伝統を感じるはずだ」。日本文化をアピールする場と捉えた。

発売日の11月29日、お披露目の内覧会に駆け付けたジャニス工業の山川芳範社長も「旅行客がスマートフォンで撮影し、ブログなどにアップすれば、話題が広がっていくのではないか」と期待を込める。

さかもとは、月間30台生産でスタートする意向。全て受注生産で、納入は受注後1カ月、漆加工の場合は2カ月と設定。トイレ空間演出の提案、設計を含め、年間2億円の売り上げを目標にしている。
 

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