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IR整備推進法案が衆院可決、7日から参院審議入り 公明は賛否割れる 自民から“造反”も

2016/12/07

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案が12月6日の衆院本会議で自民党や日本維新の会などの賛成多数で可決された。参院では7日の本会議で趣旨説明と質疑を行い、審議入りする。自民党は今国会の会期末の14日までの成立を目指しており、早ければ9日にも成立する可能性がある。

201612071152_1.jpg自民党などの賛成多数でカジノ法案を可決した衆院本会議=6日午後

党内で賛否が分かれた公明党は起立採決で党議拘束を外し、自主投票で臨んだ。石井啓一国土交通相や太田昭宏前代表ら22人が賛成、井上義久幹事長ら11人が反対し、幹部間でも対応が割れた。賛成で党議拘束をかけた自民党では中谷元(げん)前防衛相ら少なくとも数人が退席し、棄権した。

党内に推進派の議員もいる民進党は「審議不十分」などの理由で退席した。その後に開いた党会合では、参院審議では「今の法案には反対」で対応する方針を決めた。

法案は議員立法で、大型ホテルや国際会議場、商業施設、カジノなどが一体となった施設群を整備する内容。法施行後、政府は1年以内をめどに具体策を定めた実施法案を制定する。菅義偉官房長官は衆院通過後の記者会見で「観光立国を目指すわが国にとって観光振興、地域振興、産業振興が期待される」と述べた。

カジノの合法化には民進党や公明党、自民党の一部でギャンブル依存症の増加などへの懸念が噴出。法案を可決した2日の衆院内閣委員会は、政府に対策の強化などを求める付帯決議を採択した。

賛成派「大きな前進」、反対派「経済的プラスにならぬ」

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案は6日の衆院本会議で賛成多数により可決されたが、自主投票となった公明党は執行部内でも対応が分かれた。民進党は採決までに意見集約できず退席したが、党内推進派には不満もくすぶる。

【賛成】

201612071203_1-300x0.jpg細田博之総務会長(自民)「法案は、民進党の前の旧民主党政権時代に多くの民主党議員も入って原文を作った。十分議論が行われている。(衆院内閣)委員会の審議時間が短いとの指摘はあるが、長く各党で議論されてきたことは事実だ。ギャンブル依存症の対策は講じなければならない。付帯決議にもあり、政府もアルコールや薬物依存症と一緒に予算対応すると明言したことは、大きな社会的前進だ」

石井啓一国土交通相(公明)「IRが観光振興、地域振興に資する点を評価した。政府のインバウンド(訪日外国人客)の目標達成にプラスだ。成立すると、政府に必要な法制上の措置を講じることが求められる。付帯決議などを踏まえてしっかりとした法案の整備をやりたい」

斉藤鉄夫選対委員長(公明)「政府が実施法を作る段階で、違法性を阻却できる数々の処置が可能だと考えた。例えば日本人は入れないとか、いろんなことが考えられる」

遠山清彦衆院議員(公明)「地元の九州、特に長崎県、同県佐世保市、宮崎県からIRを誘致したいとの要請を受けており、賛成した。日本の観光資源を多様化してインバウンドを増やすことや、国際会議の誘致を増やすのにIRは重要な役割を果たす。カジノに対する懸念や課題(への対策)は政府が(実施)法案を作る過程で示されていく。(党内で賛否が分かれたことは)忸怩(じくじ)たる思いだ。党内で長い時間をかけて議論できれば、理解を広げることができた」

馬場伸幸幹事長(維新)「法案提出から3年たっている。超党派の議員連盟で何度も勉強会をしている。国会議員を4、5年続けている方に拙速との意識はないと思う。民進党の退席者に法案提出者がいたのは残念だ」

【反対・退席】

中谷元(げん)前防衛相(自民、退席)「アルコールなど依存症全体への支援が足りていないという思いがある。心の弱い所に入ってくるものなので、対策をしっかりしなければならない。(カジノについても)依存症対策をしっかりやってほしい」

富田茂之幹事長代理(公明、反対)「亡国の法案だ。賭博罪の違法性を阻却する理由が何もない。アジアのカジノを全部見てきたが、集客は減っている。今さらこんなものを造ったって、経済成長にはプラスにならない」

浜村進衆院議員(公明、反対)「デメリット、メリット両方ある。法案はまだまだ不確実性が高い。与党の一員として、懸念を払拭できる法案にできるべく、力を尽くしていきたい」

中川康洋衆院議員(公明、反対)「(ギャンブル依存症対策などの)中身が書き切れていない。私自身、不安が残る」

長島昭久・民進党IR推進議員連盟会長(退席)「ノーコメント」

松野頼久元官房副長官(民進、退席)「僕は賛成だけど、今回はしようがない。まだ過去の整理ができていない」

大串博志政調会長(民進、退席)「言語道断の国会運営が与党によって行われている。議員立法であるにもかかわらず、極めて短時間で審議を打ち切り、強行採決するのはあり得ない。こういった暴挙に対し厳しく抗議し、猛省を促していきたい」

山井和則国対委員長(民進、退席)「約6時間の審議で十分だと思っている国民はほとんどいないと思う。国民が採決に納得していない以上、採決に出席することはできない。本当は賛否を表したいが、表すに足る審議が行われていない。本当に異常、異例なことだ」

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