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規制改革会議、ホテル・旅館の規制緩和議論へ 最低客室数、フロント設置義務について検討

2016/10/25

政府は10月24日、規制改革推進会議を開き、ホテルや旅館の営業を柔軟化するため旅館業法の抜本改正に向けた検討に着手した。最低客室数やフロント設置義務に関する規制を緩和すべく年内にも意見をまとめる。多様な宿泊サービスの提供を可能にし、成長の柱とする「観光立国」達成を目指すのが狙い。政府は同法改正案について、一般住宅を有料で貸す「民泊」の解禁法案とともに、来年の通常国会の提出を目指す。

201610251138_1.jpg※規制改革推進会議であいさつする山本幸三規制改革担当相(左)。右は大田弘子議長=24日午後、東京都千代田区(山口暢彦撮影)

会議では、ホテルで「10室以上」などと決められている最低客室数に関する規制の見直しが挙がった。緩和することで、部屋を限定して貸し出す高級旅館といった新たなサービスが期待できるとされる。

宿泊客の本人確認のため設置が義務づけられたフロントに関する規制については撤廃を目指す。本人確認はIT技術を使ってできることでフロントのスペースが不要になり、より小規模な設備でも宿泊施設を営める。規制改革推進会議は、ほかの部分の緩和も求める考えだ。

旅館業法については現在、所管の厚生労働省が「ホテル」や「旅館」の区別をなくす法改正などを検討している。

民泊めぐり旅館業界を懐柔か

政府の規制改革推進会議が検討を始めた旅館業法の抜本改正は、既存のホテル、旅館業界に、より多様な営業形態を可能にするものだ。業界は、政府が来年の新法成立を目指す「民泊」解禁に反発しており、今秋の臨時国会への法案提出も潰れた経緯がある。会議が業界の競争力強化を認める緩和方針を示したことには、民泊への反発を和らげる“懐柔”の意味合いもありそうだ。

会議に出席した山本幸三規制改革担当相は「既存の旅館業法規制についても、会議での議論を踏まえ、しっかり取り組んでもらいたい」と述べた。

見直しが検討されることになった最低客室数の規制の目的は「安定的な経営の確保」、フロントの設置義務は「本人の確認および出入りの確認」だ。こうした目的に対し、24日の会合の出席者は「IT時代に本人確認する方法はいくらでもある」と規制の「時代錯誤」ぶりを批判した。

会議後の会見で、議長の大田弘子・政策研究大学院大学教授が強調したのは、規制緩和で業界の「創意工夫」が可能になることだ。

政府が導入を目指す「民泊」は「フロント設置を求めない」などの内容になるとみられ、旅館やホテル業界の「競争が不利になる」という警戒は強い。

民泊新法は、今秋の臨時国会でも提出が検討されたが、旧規制改革会議が求めた民泊の年間営業日数「180日以下の範囲内」に旅館業界が反発。空き物件の利用に積極的な不動産業界などとの間で利害対立の調整がつかず、法案提出は見送られた。

規制改革推進会議が今回緩和方針を示した背景には、こうした事態を避けたい思惑もあるとみられる。

政権は観光産業の底上げを成長戦略の柱と位置付け、2020年に訪日客を4000万人まで増やすことを目指している。民泊関連で調整が進まなければ観光戦略が遅れ、日本の成長軌道が弱まりかねない。


 

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