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訪日客の胃袋つかんだ豚骨ラーメン SNSで拡散、アジアから続々福岡へ

2016/09/28
福岡県のご当地グルメ「豚骨ラーメン」が、訪日旅行(インバウンド)客の胃袋をつかんでいる。旅行客がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿した口コミが、新たな客を呼ぶ好循環が生まれており、拉麺(ラーメン)の本場、香港や台湾からも続々と客が訪れる。豚骨ラーメンファンをさらに拡大しようと、関係者は積極的な情報発信を続ける。

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訪日狙い現地で情報発信

訪日狙い現地で情報発  豚骨ラーメンチェーンの一蘭(福岡市博多区)は、2013年の香港進出に合わせて、現地向けのホームページを開設した。さらにフェイスブックや、中国版ツイッター「新浪微博」を通じて情報発信をする。狙いは訪日時の誘客だ。 同じころ、一蘭の店舗に外国人客が目立つようになったという。福岡だけでなく、大阪や東京などの店舗でも、多くの外国人客が列をなしている。

同社の広報・宣伝、柴山ゆかり氏は「アンケートでは豚骨スープのコクや、細いながらもコシのある麺などを評価する外国人客が多い。また、1人ごとに区切った座席など独特のシステムも好評だ」と分析した。

海外で珍しい白濁スープや、数十時間かけて仕込む手間と比較して、安く味わえる点も、高評価の理由という。

SNSに投稿された写真や感想などが、“口コミ”で拡散した結果、一蘭だけでなく豚骨ラーメンの知名度が高まる。

豚骨ラーメン発祥の地とされる福岡県久留米市も、好機到来とばかりに、海外に向けたPR作戦を始めた。

2015年11月、市内の老舗ラーメン店「清陽軒」が、タイの放送局「チャンネル5」の旅番組「パノラマ・ディスカバリー」のロケ地に選ばれた。訪れたリポーターがラーメン作りを体験した。番組の反響は大きく、タイ人観光客の誘客につながったという。 さらに、インバウンド客向けに、「免税ラーメン」も登場した。

一蘭は今年4月、インスタント麺や調味料などについて、消費免税対応を始めた。専用のレジを設置し販売する。

中国人客は、海外旅行に際して、親類や友人に土産品を大量に配る習慣がある。これを狙った。SNSでは、土産品のインスタント麺の画像なども数多く投稿されている。

現在は免税手続きの関係上、キャナルシティ博多店のみだが、同社は今後、県内の他店舗での免税対応も検討している。
 

観光振興に自治体も便乗

豚骨ラーメンブームに福岡県も乗る。2015年度、一蘭をはじめ海外進出するチェーン店と連携し、「とんこつラーメン発祥の地 福岡」のPRを始めた。

香港や台湾、タイなどアジア向けに、特設サイトや現地の旅行雑誌を通じて情報発信を進める。今後も対象地域を広げていくという。県観光振興課の竹下暁係長は「豚骨ラーメンにあやかって、福岡県全体の知名度向上につなげたい」と語る。

ラーメン(拉麺)は元々、大陸の食文化だった。戦前に「支那そば」として日本に入り、独自の進化をとげた。現在は「日式拉麺」として中国に逆輸入されるだけでなく、世界各地で日本食として認知されている。

電通が世界20カ国・地域で実施した「ジャパンブランド調査2016」では、すしや天ぷらと並び、知名度の高い日本食に選ばれた。

新横浜ラーメン博物館(横浜市港北区)によると、日本式ラーメンの海外出店数は全世界で2千店を超える。同博物館の担当者は「外国人が日本のラーメン店を訪れるのは、多くの日本人が『イタ飯ブーム』後に、『本場の味を』とイタリアを訪れたのと同じ現象でしょう」と解説した。

かつて九州限定の味だった白濁スープが、海を越えてファンを増やしている。
 

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