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パナソニック カード決済端末を強化 東京五輪にらみ、

2016/09/05

201609021746_1-250x0.jpgパナソニックが国内でシェアトップを誇るクレジットカード決済端末の販売強化に乗り出した。訪日客(インバウンド)増加によるクレジットカードの利用拡大を見込んだ新規の端末導入やセキュリティー強化に伴う買い替え需要を取り込むためだ。

新機種投入などを通じ、2016年度からは決済端末の年間販売台数を現在の7万台から1.4倍の10万台に引き上げる目標を掲げる。

政府が2020年開催の東京五輪に向け、キャッシュレス決済の普及を目指していることも追い風になりそうだ。

市場シェアは7割

家電のイメージが強いためにあまり知られていないが、パナソニックはクレジットカード決済端末で国内シェア7割を占めるトップメーカーだ。

その歴史は意外に古く、1974年に磁気式カードリーダーを生産開始したのが始まり。以降は順調に販売を伸ばし、2015度末までの累計販売台数は約120万台に達し、他社を大きく引き離している。

2000年には物流・宅配事業者向けのモバイル決済端末を他社に先駆けて販売したほか、中国のデビットカード「銀聯カード」にもいち早く対応するなどして常に市場をリードしてきた。

使い勝手の向上や新市場の開拓にも力を注ぎ、2013年には国際標準の非接触IC決済サービスの「PayPass(ペイパス)」や「payWave(ペイウェーブ)」に対応した決済端末を発売。

今年3月からは通信速度を高めて決済スピードを向上させたモバイル決済端末や、クラウドに対応し、サーバー上でソフトウエアを更新し新たな種類のカードに素早く対応できる決済端末を売り出した。

カードが利用できない場面に遭遇する訪日客も

日本では店舗などでの利用に加え、ネット通販の拡大により、クレジットカードを使った取引額は年々増加している。

2014年度のクレジットカードでの取引額は約46兆円で、消費全体に占める割合(利用率)は約16%だった。

韓国のクレジットカードの利用率は73%、中国は56%、米国は34%となっており、主要国と比較すると、クレジットカードの利用率はまだまだ低い。

観光庁の調査によると、訪日客の約半数がクレジットカードを利用している。その半面、日本クレジットカード協会(東京)が行った調査では、訪日客の3人に1人が少なくとも1度はカードが利用できない場面に遭遇しているといい、利用環境への不満も多い。

訪日客を取り込むには、クレジットカード決済端末の導入は不可欠

中国人観光客らの“爆買い”をはじめ、訪日客の消費が日本経済を下支えしている。東京五輪開催などで今後も増加が見込まれる訪日客を取り込むには、企業や店舗でのクレジットカード決済端末の導入は不可欠だ。経済産業省なども訪日客の誘致に向け、キャッシュレス化の推進を掲げている。パナソニックが「大きな商機」(担当者)とみているのはこのためだ。

一方、クレジットカードの不正利用をいかに防止するかも利用率の向上を図るうえで欠かせない。昨年1年間のクレジットカードの不正使用被害額は2年連続で100億円を突破。経産省は増加する偽造カードなどによるクレジットカードの不正使用を防ぐため、カード情報を暗号化できるICチップ付きのクレジットカードに対応した決済端末の導入などを加盟店側に義務づける方針だ。

偽造カードは主に磁気カードの情報を複製して作られるため、クレジットカードと決済端末をIC化にすれば、複製と不正使用の双方を防げる。日本は欧米や中国などと比べてもIC化が遅れているとされ、東京五輪に向けてカードを頻繁に使う訪日客も安心して買い物ができるようにする狙いがある。

パナソニックはIC化を含め、偽造防止やカード情報の保護などに関する新たな基準に対応した決済端末のラインアップの充実を進めることで、新規の導入に加え、「既存顧客による買い替え需要の取り込みも狙う」(同担当者)。

特に伸び代が大きいとみるモバイル分野では、スマートフォンやタブレット端末などとワイヤレスで連動する新たなモバイル決済端末の販売も計画。小売や外食業界などに売り込みを図り、販売台数の上乗せにつなげる戦略を描いている。

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