Logo sec

韓国LCC、日本路線に「0ウォン航空券」導入 日本人客誘致に結びつくか…

2018/02/09

 韓国国土交通部のまとめによれば、昨年の航空旅客数が過去最高の1億936万人(前年比5.2%増)を記録したという。米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備に反発する中国政府が自国民の韓国への団体旅行を禁じたこともあり中国路線が減少したものの、日本・東南アジア路線の多角化と格安航空会社(LCC)の成長が増加の要因とみられる。

 韓国ではそのLCCの“特価戦争”が本格化し、「0ウォン」の無料航空券が初めて登場したほか、すでに日本人客対象にキャンペーンも展開。訪韓日本人客を呼び込むためにはなりふり構わっていられないようだ。

韓国のLCC、エアソウルの旅客機

破格マーケティングで取り込み狙う

 韓国のLCC、エアソウルが先月30日、仁川(インチョン)~山口宇部路線の航空券1千枚を無料で提供すると発表した。韓国紙、韓国経済新聞(日本語電子版)が報じた。国際線輸送客100万人突破を記念したイベントで、韓国の航空会社が無料航空券を販売するのは初めてという。

 報道によれば、今月5日に仁川~山口宇部路線の航空券500枚を無料で贈呈し、その後10日まで毎日100枚ずつ順次贈呈する。航空運賃が0ウォンなので利用客は燃油サーチャージと税金など往復総額4万ウォン(約4千円)だけの負担で済む。委託手荷物があれば手荷物費用は別に支払えばいい。旅行期間は3月24日までとしている。同紙の取材に対し業界関係者は「後発のエアソウルが消費者の目を引くために不人気地域の航空券を対象に破格マーケティングに出たとみられる」と説明するが、エアソウルが日本人客誘致を意識していることは間違いなさそうだ。

 エアソウルだけでなく、韓国ではLCCの特価戦争が白熱している。ジンエアーも先月末、1年に2回実施する業界最大規模の特価販売をスタート。3月25日~10月27日に運航する韓国国内線4路線と日本、東南アジア、中国、米国など国際線28路線が対象航空便という。 

 また聯合ニュース(日本語電子版)によると、そのジンエアーは日本人の観光客に韓国文化を紹介し、さまざまな特典を提供するキャンペーン「Jin Air Korea Guide」を3月末まで展開中。同社はキャンペーンで日本人客に飲食や生活、観光プログラムなどに関する韓国の文化コンテンツや特典を提供し、日本からの観光客誘致を拡大する計画だ。

訪韓客向けに慰安婦像を設置している場合?

 こうした韓国LCCの積極的取り組みの背景には、米軍によるTHAADの韓国配備に反発する中国政府が自国民の韓国への団体旅行を禁じたこともある。中国路線が減少する中、韓国政府の交通政策の一環で、日本や東南アジア路線の多角化とLCCの充実を図ってきた。

 聯合ニュースによると、こうした取り組みが奏功したのか、昨年の韓国の航空旅客数は過去最高となる1億936万人(前年比5.2%増)を記録(韓国国土交通部まとめ)。また、国際線の旅客数は、LCCの運航拡大やウォン高による韓国人の海外旅行の需要増で前年比5.4%増の7696万人だった。

 航空会社別でみても、大韓航空やアシアナ航空といった大手航空会社の運送実績が前年比1.9%減少したものの、LCCは41.9%増加していた。

 ただし、今のところ、LCCの運航拡大は訪韓日本人客の呼び込みには十分に結びついていないようだ。韓国観光公社は、2017年に韓国を訪れた外国人観光客数を前年比22.7%減の1334万人と集計。中でも中国人客は48.3%の急減で417万人にとどまった。日本人客は年初こそ増加傾向だったが、北朝鮮のミサイル発射への懸念から5月以降は訪韓を控えるようになり、年間では前年比0.6%増にとどまっていた。

 今や1年間で韓国国民の8人に1人が日本に「おもてなし」を求めてやってくるといわれる。韓国人にとって、大阪など日本の観光地が魅力的であるということにほかならない。韓国が本気で日本からの観光客を呼び込みたいのであれば、ドラマやK-POPといったかつての「韓流」に頼るばかりでなく、外国人観光客誘致が絶好調な日本の取り組みにもヒントを見いだせるはずだろう。ならば、慰安婦像を各地に設置している場合ではない。

あわせて読む

「韓国」の記事をもっと見る 「交通」の記事をもっと見る 「運輸」の記事をもっと見る

旅行業

もっと見る
「旅行業」の記事をもっと見る 「LCC」の記事をもっと見る

航空機

もっと見る
「航空機」の記事をもっと見る