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[連載]最新インバウンドビジネスinチャイナ(2)高まる日本酒人気、市場の拡大に期待

2018/02/09

日本酒が中国で人気になり始めています。財務省の統計をみると、平成28年の中国への日本酒輸出額は前年比23.6%増の約14億円と、米国・香港・韓国に次ぐ4位ですが、前年に比べ伸び率は非常に高くなっています。1都9県の酒や食品の輸出規制が行われている中では健闘しており、今後、市場としてさらに伸びることが見込まれています。

“出合い”の場を提供

日本酒をはじめとする日本のお酒をそろえた体験会

昨年11月、中国のみなさんにもっと日本酒のよさを知ってもらおうと、「“100種類の日本のお酒が飲み比べられる!”『日本の酒試飲体験会』」というイベントを上海日本総領事館を会場に開催しました。

このイベントは、上海に進出した食品メーカーや小売店、輸入代理店などで組織する「日本の食と酒普及促進委員会」が中国での日本の食やお酒の普及啓蒙を目的に開催しました。領事館や、日本の現地法人などが組織する上海日本商工クラブなどの協力を受け、当日は100種類もの日本のお酒を集めましたが、中国でこれほどの日本のお酒が集まるイベントはそうありません。日本酒だけでなく、焼酎や泡盛、果実酒などさまざまな日本の酒を試飲できるとあり、300人近い中国人が来場しました。

日本酒に関する講演も好評だった

このイベントでは、日本の食や酒を研究し、造詣の深い復旦大学の徐静波教授による日本酒に関する講演、日本酒の代理商で利き酒師も取得している馬勇敏氏による日本酒飲み方セミナーなども開催。質疑応答も活発に行われ、日本の酒に関する知識や情報に非常に多くの方が興味を持っていることを強く感じました。

中国では、上海など大都市で日本食の店舗が増えています。また、日本への渡航経験者も多く、「日本で体験した日本の酒を中国でも飲みたい」「自分に合う日本酒を見つけたい」といったニーズが高まっているようです。

若い女性には梅酒も好評

会場には多くの中国人たちが訪れた

日本酒は、中国の酒と比べてアルコール度数が低く、体に優しいイメージが持たれています。全体の傾向として、本格的な日本酒に加え、20~30代の女性層に梅酒などの果実系のお酒が圧倒的な人気があることも分かってきました。参加者からは「飲んで初めておいしさが分かった」「こんなに多くの種類の日本のお酒がある事を知らなかった」「日本酒の講演を聞いて、よりおいしく感じた」といった感想も聞かれ、中国市場での日本のお酒のポテンシャルの高さを感じられました。

 領事館を会場にしたこの試飲体験会は今回が2回目の開催で、今年は年4回開催する予定にしています。このほかにも上海市内にある日本料理店を会場に「日本の食と酒Salon(サロン)」という中国人向けの食事会を年6回開催して日本の食やお酒をPRしています。会場となっているお店のキャパシティにもよりますが、こちらも有料ながら30~80人の中国人の方々に参加していただいています。

日本のお酒の人気は高まりつつあるとはいえ、まだまだ“出合いの場”が少ないのも現実です。海外での市場拡大が期待される日本酒ですが、とりわけ中国市場での成長性は「健康志向」「嗜好多様化」「本物志向」などのキーワードから、更に伸長する期待は高まります。2018年は日中平和友好条約締結40周年でもあり、日本の文化や地域の魅力を伝える一つの大きなきっかけになるものと考えられます。

清水保之(しみず・やすゆき) Meeting Force/清保(上海)貿易有限公司総経理。大学卒業後、セールスプロモーションの会社に入社。化粧品・航空会社などを担当。子会社代表取締役社長、上海現地法人副総経理など経て2012年に独立、13年中国上海に清保(上海)貿易有限公司を設立した。日系企業と中国マーケットを結び付る具体的なプロモーション事業やコンサルタント事業を展開。ビジット・ジャパン・サロン(訪日インバウンドイベント)、日本の食と酒サロン、企業別プロモーションなどで定期的に上海と日本を行き来している。中小企業基盤整備機構 海外支援アドバイザー。

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