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万博断念のフランス混乱 「ツイッターで伝わった」と誘致委員長は怒り心頭、関西では楽観論戒める声

2018/01/23

 2025年開催の国際博覧会(万博)の誘致断念方針を示したフランスは、日本よりはるかに先行して計画策定に取り組み、約11万人もの賛同署名を集めていた。フィリップ首相による突然の撤退表明に誘致委員会などは強く反発し、フランス国内で混乱が広がっている。(栗井裕美子、牛島要平)

「私はあきらめない」

フランス政府がパリ万博の誘致立候補辞退の方針を決めたと報じた21日付け仏日曜紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(三井美奈撮影)

 「首相は卑怯(ひきょう)だ。7年前から誘致に取り組んでいるのに、首相の意向が伝わったのはツイッターだ。手紙は受け取っていない」

 22日早朝、フランス万博誘致委員会のジャンクリストフ・フロマンタン会長はラジオ局RTLの番組で怒りをぶちまけた。番組のウェブサイトには、顔を紅潮させ「これは首相の決定で、フランスの決定ではない。私はあきらめない」とまくしたてるフロマンタン氏の姿が配信された。

 テロが相次ぐなど仏国内に閉塞(へいそく)感が漂う中、パリ郊外で市長を務めるフロマンタン氏は、フランスの復権と国民再統合を掲げ万博誘致を推進してきた。

財政負担「コントロール不能」

 誘致断念を報じた地元紙によると、フィリップ首相は誘致活動を統括するパスカル・ラミー博覧会担当省庁間代表に宛てた書簡で、計画の見通しの甘さを指摘。例えば2015年のミラノ万博の収益は当初予想13億ユーロに対し4・5億ユーロにとどまったことなどを挙げ「リスク要因」とした。

 入場者数も、フランス万博は3500万~6500万人と見積もるが、ミラノは2千万人にとどまった。さらに民間企業の協力も十分に集まっていないとし、「コントロール不能な財政負担」はできないとした。

 これに対し、フロマンタン氏はラジオ番組で「計画は法的にも財政的にも実現可能だ」と反論した。

 フランスは2023年にラグビーワールドカップ、24年に五輪・パラリンピックの開催が決まり、大規模イベントの3年連続開催への懸念もある。ただ、五輪誘致表明は万博より遅い15年6月。当時、フロマンタン氏は「混乱を招く」などと困惑していた。

日本の誘致委幹部は警戒

 一方、日本の万博誘致委員会の会長代行を務める松本正義・関西経済連合会会長(住友電気工業会長)は22日、フランスの誘致断念をめぐり報道陣の取材に応じ、「1カ国が脱落することで(ロシアなどの)他の立候補国がさらに強力に攻勢をかけてくる可能性がある」と楽観論を戒めた。

 また、誘致活動を今以上に活性化させるために「世界各地で(支持獲得へ)可能性のあることは全部やる」と意気込みを語った。

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