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2期区間工事中止も“都心アクセス良好” 「京急大師線」沿線の活性化加速

2018/01/19

 京急川崎駅と小島新田駅を結ぶ短距離路線「京浜急行電鉄大師線」沿線の活性化が進んでいる。踏切廃止や周辺開発を目的に工事が進む大師線のほぼ全線を地下化する連続立体交差事業について、川崎市は未着工の2期区間(京急川崎-川崎大師間、2・9キロ)の中止を決めたが、足元では工場移転跡地などの大規模マンション開発で、居住者が増加するなど沿線活性化は加速しており、今後の発展に期待がかかる。(那須慎一)

産業道路と交差する踏切を撤廃して渋滞解消に向けた地下化工事が進む京急大師線=いずれも川崎市

 大師線は京急川崎-小島新田間の約5キロを結ぶローカル線だが、中間に川崎大師駅があるため、沿線住民だけでなく、参拝客の足としても知られる。

 ただ、沿線は県道6号東京大師横浜線(産業道路)など大規模道路と交差する踏切があり、交通渋滞などが常態化。平成6年に事業化を決定して路線内計14カ所に及ぶ踏切廃止を柱とした大師線の地下化や、一部を新ルートとする開発計画が打ち出された。

 マンション建設相次ぐ

 このうち、1期区間(小島新田-東門前間)はすでに進行中で、懸案だった交通量が多い産業道路と交差する「産業道路第1踏切道」など3つの踏切は廃止され、この区間は地下を通る形になる。これに対して、当初計画よりも負担増加が見込まれることなどを総合的に判断して、2期区間の計画は中止が決定。港町-京急川崎間に新駅を設ける新線計画も白紙となった。

 今回の2期区間の工事中止により、川崎駅側から2カ所目に当たり、やはり交通量が多い「川崎第2踏切道」などはそのまま残る形となったため、京急も「市と相談して(地下化や高架化など)どうしていくのか速やかに検討していきたい」としている。ただ、地下化の計画は一部変更となったが、大師線自体は東京都心や横浜方面へのアクセスの良さも手伝い、大規模マンションの建設が相次いでいる。

 京急不動産などが港町駅前で手がけた全1394戸の「リヴァリエ」は、昨年6月下旬に完売。住友不動産は鈴木町駅近くに全475戸の「シティテラス川崎鈴木町グランドシーズンズ」を建設中で、31年4月から入居が始まる。

 かつての工場地域も

 すでに1期、2期の販売は終了し、3期の販売中。京急不動産では「新たな施設や整備計画で、工場地域という印象が払拭され、ファミリーが暮らしやすい環境が整ってきた。隣接地で分譲した『シティテラス川崎鈴木町ガーデンズ』(257戸)も完売している。多摩川リバーサイド地区整備構想、キングスカイフロント対象エリアなど、大師線沿線には大規模な開発構想があり、さらなる発展が期待される」と魅力を語る。

 かつては高度経済成長期を中心に、京浜工業地帯の工場労働者や家族が利用する路線としてにぎわったが、その後は大手企業の工場などの撤退や地方移転が相次ぎ、活気が薄れていた。京急によると、大師線の乗降客数は4年度の8万3804人を境に減少。ただ、17年度の6万4081人を底に、周辺のマンション開発の加速も手伝って右肩上がりに成長している。28年度には7万8073人まで順調に伸ばしているという。

 車を利用すれば、羽田空港や、アクアラインを経由して千葉県の観光地にもすぐアクセスできるほか、沿線に大型商業施設も増加している点が、ファミリー世帯を中心に人気を得ている理由となっている。今後も沿線は開発の余地があり、新たな世帯の流入によって街の活性化が進むとみられる。京急“祖業”の路線でもある大師線と沿線が、今後さらにどう変化していくか、いま注目が集まっている。

                   ◇

 京浜急行電鉄  明治31(1898)年2月創立で昭和23年6月設立の東京都港区高輪2の20の20に本社を置く電鉄会社。資本金437億円、従業員数は1856人(平成29年6月29日現在)。31年秋に横浜市西区へ本社を移転する予定。

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