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平成29年の訪日外国人旅行消費額は4.4兆円 5年連続過去最高額

2018/01/16
シカに鹿せんべいを与える外国人観光客=奈良市

 観光庁が16日発表した訪日外国人消費動向調査によると、平成29年の訪日外国人旅行者による買い物などの旅行消費額(速報値)は前年比17.8%増の4兆4161億円と5年連続で過去最高額を更新した。初の4兆円台に乗せた一方、32年に8兆円の政府目標までは“五合目”に届いた程度で、目標達成には一層のてこ入れが求められる。

 ビザ緩和や航空路線の新規就航などを背景にアジアを中心に訪日客が急増し、消費額全体を押し上げた。費目別では、全体の37.1%を占める買い物代が1兆6398億円と最多だが、シェアは前年(38.1%)よりも減少。代わって宿泊料金や娯楽サービス費の構成比が拡大しており、モノ消費からコト消費への転換がみられる。

 一方、1人当たりの旅行支出は1.3%減の15万3921円で、中国人観光客の「爆買い」が話題になった27年をピークに2年連続で減少した。

 観光庁の田村明比古長官は記者会見で、「観光で成功している国は、日本と比べて娯楽サービスの構成比率が高い」と指摘、夜間の娯楽需要への対応や、長期滞在を促すような施策を進める考えを示した。

訪日観光客数は2869万900人

 また、日本政府観光局(JNTO)は同日、29年の訪日客数(推計値)を2869万900人と発表した。国・地域別では中国が15.4%増の735万5800人、韓国が40.3%増の714万200人など、主要20カ国・地域のすべてで過去最高を更新した。

成熟客どう囲い込む 小売り各社、知恵の絞りどころ

大勢の訪日客でにぎわう百貨店の化粧品売り場=平成28年10月、東京都中央区の松屋銀座

 訪日外国人による平成29年の消費額が過去最高を更新した。かつての強烈な“爆買い”現象は収まったが、質の高い製品や買い物体験を求める客足は止まらない。成熟したリピーター客をどう囲い込むかが、小売り各社にとって知恵の絞りどころとなっている。

 「訪日客の買い物が日本人と同じ買い方に変わってきた」と指摘するのは高島屋の木本茂社長。各社とも日本人同様にきめ細かなカウンセリングを受けられる化粧品売り場が人気だ。

 百貨店業界の28年の免税売上高は、中国当局による関税強化などで前年比5%余り落ち込んだ。しかし29年は一転、1~11月累計で46.5%増の2425億円と過去最高を更新。高島屋は、新宿に昨春開いた免税店を日用品中心に切り替えて客足をつかんだ。

 J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店は年間100万円以上購入する富裕層向けに、通訳が付き添う優待サービスなどを展開。「定期的に来日する得意客も多く、積極的に囲い込みたい」(山本良一Jフロント社長)考えだ。

 ドラッグストアやディスカウントストアも訪日客の消費でうるおっている。

 ドン・キホーテは、円以外の7通貨でも支払えるサービスや空港への配送サービスなどで利便性を高め、訪日客の来店数を322万人(29年6月期)と前期比39%伸ばした。日本人と異なり、訪日客の来店は夕食を終えた午後10時前後に集中するため、繁忙度の平準化にもつながっている。

 マツモトキヨシホールディングスは売上高に占める免税販売比率が11%(昨年4~9月)と、前年同期比約2ポイント伸長。免税手続きで得た国籍や人気商品のデータを仕入れや陳列に活用した成果といい、現在409ある免税対応店を「さらに増やす計画」(広報)だ。

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