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[連載]宗さんがゆく!(4) 中国のお正月「春節」を徹底解明 企業もマーケティングに活用「紅包」って何?

2018/01/04

訪日ビジネスアイをご覧の皆さま、新年好(シーンネーンハオ)! 明けましておめでとうございます。2018年もどうぞよろしくお願いいたします。

私は今年、年末年始を日本で過ごしました。門松や注連(しめなわ)飾りは「日本のお正月」という感じがしました。初詣も新鮮で面白かったです! 

■新年のスタートは1月1日ではなく「春節」から

中国の新年は「春節」と呼ばれ、1月1日ではなく、旧正月(2018年は2月16日)を指します。一年の始まりであることから、中国人にとっては最も大事にされている伝統的な祝日です。一家団らんでお祝いするのが古くからの風習です。

春節が近づくと、毎年必ず話題になるのは「春運」と「春晩」です。

春運とは、旧正月前後の帰省ラッシュのことで、なんと30億人が大移動するのです。家族で新年を迎えることが慣わしである中国では、出稼ぎ労働者や冬休みに入った学生たちが帰郷します。

春晩は「中国中央電視台春節聯歓晩会」を略したもので、日本の紅白歌合戦のような中国の国民的年越し番組です。近年は、SNSの普及に伴い、テレビを見ながら微博(ウェイボー)や微信(ウェイシン)でツッコミを入れたり、友達と意見交換したりするもの、春節の楽しみの一つになっています。

■“お年玉”にも押し寄せるSNSの波

さらに、春節の風物詩といえば、「紅包(ホンバオ)」が欠かせません。

中国のお年玉袋「紅包」

中国では、日本同様、新年に子供にお年玉を渡す習慣があるのですが、このお年玉袋が赤色をしていることから「紅包」と呼ばれています。ただ、この「紅包」、近年はSNS上でも盛り上がりを見せるようになりました。微博や微信に「電子版紅包機能」が実装され、電子マネーでも「紅包」を贈り合うようになったのです。

中国国内の企業は、SNSの紅包機能を活用したキャンペーンを頻繁に開催しています。中でも、一番人気を博しているのは、支付宝(アリペイ)が毎年実施するキャンペーンです。

2017年はAR(拡張現実)技術を取り入れた「五つの『福』を集めよう!」キャンペーンを実施しました。身の回りにある「福」の文字を携帯でスキャンすると、「福」カードをゲットすることができ、5種類の「福」カードを集めると大晦日の夜に、ランダムで17円~1万1322円(1元17円換算)までのお年玉が参加者全員に当たります。

支付宝社が2017年の春節に開催した「紅包」キャンペーン

総額34億円のお年玉が配布され、1億人以上が参加する国民的な大規模キャンペーンとなりました。私も参加したのですが、夢中になって、いたる所で「福」をスキャンしまくっていました。結局ゲットできたのはたった18円でしたが…。お正月の雰囲気を楽しむのが人気のポイントだと思います。今年のキャンペーンはどんなものになるのか、今から楽しみにしています。

春節と「福」飾り 中国では、ほとんどの家庭やオフィスで「福」という文字が書かれた飾りを飾っています(日本でも中華料理店などで見たことがある方もいらっしゃるかもしれません)。この飾りは、「今年も福がやってきますように」という気持ちを込めて、毎年新年に新しい飾りに交換されます。また、「紅包」の袋にも「福」という文字が書かれていることもあり、春節中は特に「福」という文字を目にする機会が多くなります。

また、企業からのお年玉だけでなく、一般消費者同士でもお年玉を贈ったり受け取ったりして、春節の雰囲気を楽しむのも、新たな春節の風物詩になってきています。微信内の「電子版紅包機能」を使えば、遠く離れた友人や家族にも、「紅包」を送ることができます。

指定した友人に固定の金額を贈ったり、グループチャットで限度額を決めてランダムに贈ったりという使い方もあります。この機能により、「紅包」はお正月に限らず、常日頃から友だち同士でも交換されるようになりました。

左は「紅包」の受け取り画面。右は中秋節に私の家族の微信グループ内で配布された「紅包」

例えば、ちょっと友だちに頼み事をするときに「紅包」を贈ったり、父親から「おはようの」挨拶とともに贈られてきたりする時もあります。金額は多くても数百円程度ですが、“「紅包」を贈ること・受け取ること”自体に意味があり、新たなコミュニケーション手段となりつつあります。

企業によるキャンペーンでも、友達や家族から贈られたものであっても、SNS上で配布されたお年玉は、金額に関わらず「紅包」を受け取るということ自体が春節の楽しみ方の一つになっています。

前回の記事でご紹介した「双11(独身の日)」に中国人が“ショッピングそのものを楽しむ”のと同様、春節には「紅包」の配布を楽しむのも、中国人のデジタルカルチャーとなっています。

今年の春節、私は「春運」に参戦してきます! そして、「春晩」「紅包」を楽しみながら現地で最新情報を仕入れ、また皆さまに共有できればと思います。最後になりましたが、本年もよりリアルな中国事情をお届けできるように頑張りますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

宗杏梅(そう あんばい) 中国江蘇省南通市出身。北京第二外国語大学日本語学科を卒業後、中国のPR会社やデジタル広告代理店勤務を経て、2017年6月に来日。ペイサーに入社し、ソーシャルメディアを活用したインバウンド支援を担当。坂本龍馬が好きで、上海龍馬研究会の設立・代表を務める。2017年9月には、NHK-BS1“「地球リアル」拝啓坂本龍馬様 篇”に出演した。日々、微信(ウェイシン)・微博(ウェイボー)をフル活用して、現地トレンドを収集。毎週末は、続々と来日する中国人の友人・知人を日本各地に案内し、中国人ニーズを研究している。

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