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創造から経済効果と「レガシー」へ 2025大阪万博誘致に課題

2017/12/26

 「思い切ったことをやれるチャンスを生かし、(未来に)残るものをつくってほしい」

 政府が大阪誘致を目指す2025年国際博覧会(万博)。そのPR特使に就任したデザイナーのコシノジュンコさんは9月下旬、記者のインタビューに対し、万博が大阪を象徴するレガシー(遺産)を残すよう訴えた。その言葉を聞き、「万博は将来のために何かを創造しなくてはならない」と強く感じた。

NMB48も応援

 政府は4月、博覧会国際事務局(BIE)に開催立候補を申請。フランス(パリ近郊)、ロシア(エカテリンブルク)、アゼルバイジャン(バクー)も名乗りを上げ、4カ国の誘致合戦がスタートした。

 関西経済連合会など経済3団体は、誘致を盛り上げようとポスターやデジタルサイネージを展開。イベントなどでは、関西のアイドルグループ「NMB48」が「万博を目指して皆さんもぜひ応援してください」と呼びかける映像を流した。

 万博会場に予定されるのは、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)。9月に公表された会場計画は、中心にシンボルを置かず、吹き抜けの大広場を5カ所設ける斬新な内容だ。しかし「地元に何を残せるのか」という視点では、答えが提示されたとは言い難い。

IRとの相乗効果に期待

 もともと関西財界は、万博誘致について「本当に関西の発展につながるのか疑問だ」と難色を示していたが、昨年秋に政府が誘致方針を固めたことから協力姿勢に転じた。夢洲で、大阪府などがカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を目指していることも、「万博との相乗効果で大阪湾岸の一体開発につながる」と期待感を生んだ。

 ただ、IR実現にはカジノへの反感が根強く、来年の通常国会で予定される、ギャンブル依存症対策などを盛り込んだIR実施法案の審議も予断を許さない。IRの議論が紛糾すれば、万博誘致にも水を差しかねない状況だ。

「残ったのは太陽の塔だけ」

 大阪商工会議所の小林哲也副会頭(近鉄グループホールディングス会長)が10月の記者会見で付けた注文は、経済界の多くの声を代弁していた。

 「万博は関西経済に浸透し、影響を与えていく必要がある。1970年万博の跡地が公園になり、残ったのは太陽の塔だけ。そういうことでは継続的な経済効果につながらない」

 2025年万博の開催地は、来年11月のBIE総会で決定される。大阪万博が、IRとの関連性も含めてどんなレガシーを残せるかは、官民が一丸となって誘致を推進する上で大きな課題といえる。(牛島要平)

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