Logo sec

和室に高級ベッド入れ外国人観光客誘致 秋田大館の老舗旅館「日景温泉」リニューアル

2017/12/22

 創業から120年あまりを数え、経営難から閉館した老舗旅館、「日景温泉」(秋田県大館市)が10月リニューアルオープンし、再開を懐かしむファンでにぎわっている。昭和初期の建物を大幅改装し、和室に高級ベッドを入れるなど富裕層や外国人観光客の誘致を意識、国内外から広く顧客を呼び込みたい構えだ。(藤沢志穂子)

青森県境にある日景温泉(大館市)

 JR秋田駅から奥羽本線のローカル線で約2時間、青森県境にある陣場駅から車で5分ほど走った山間に日景温泉はある。約2万平方メートルの敷地に、木造2階建て計28室の宿泊棟を持つ。

 日景温泉は明治26(1893)年、地元名士の日景弁吉が開業した。温泉は「皮膚に効く」「美肌の薬湯」などと評され、近くにあった鉱山の労働者や地域住民に親しまれてきた。青森、岩手、秋田の周辺3県はじめ多くの観光客が訪れていたが、平成23年の東日本大震災で東北自動車道が寸断されたことなどから客足が遠のき、経営難に陥って、26年に閉館した。

 経営を引き継いだのが、大館市で結婚式場などを経営する割烹(かっぽう)きらく。創業家の「地場企業に再建してほしい」との思いを受けて、約3年をかけて改装した。

 青森県境にあることから、現在は日帰り客の6~7割が青森からで「『青森経済圏』は意識している」と石川崇代表。「大館にはきりたんぽ、比内地鶏、秋田犬など秋田の魅力が詰まっており、広く発信していきたい」と話す。

 改装にあたっては秋田杉を天井や欄干などに多用。敷地内では秋田犬や比内地鶏を飼っている。食事では大館産のとんぶりや、さくら豚など土地の食材をふんだんに使用する。客室は和洋折衷で、高級ブランドのシモンズベッドを置いた。外国人観光客向けを想定すると同時に「膝が悪い高齢者は、布団よりベッドの方が楽なはず」(石川代表)との配慮だ。併設する資料館には、かつて宿を訪れた彫刻家の高村光雲や、政治家の犬養毅の書を展示しており、英語表記を準備中という。

 東北地方の旅行業界では「外国人観光客にも十分、対応できる素材を持つ」(大手旅行代理店)として評価が高まりつつある。今後、比内地鶏の卵の朝取りや、噴出する源泉の見学など体験型の企画も予定しているという。

あわせて読む

「宿泊」の記事をもっと見る

COOL JAPAN

もっと見る
「COOL JAPAN」の記事をもっと見る

体験観光

もっと見る
「体験観光」の記事をもっと見る

訪日プロモ

もっと見る
「訪日プロモ」の記事をもっと見る 「旅館」の記事をもっと見る

地方創生

もっと見る
「地方創生」の記事をもっと見る

旅行業

もっと見る
「旅行業」の記事をもっと見る

秋田県

もっと見る
「秋田県」の記事をもっと見る