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「EKIBEN」海外に活路 兵庫・姫路の老舗が台湾に初の常設店、日本の“弁当文化”訪日外国人がSNSで発信

2017/12/15

 列車内で弁当を食べる日本独自の「駅弁」の海外展開が活発化している。まねき食品(兵庫県姫路市)は10月末、台湾・台北駅構内に海外初となる駅弁の常設販売店を開店。JR東日本も昨年、フランスに期間限定で出店した。急増する外国人観光客が日本で体験した駅弁文化を自国で広めていることなどが背景にあり、鉄道の高速化や人口減少で国内市場が頭打ちのなか、「EKIBEN(駅弁)」の海外進出に活路を見いだす。(香西広豊)

ごはんにトンカツ・唐揚げ載せ「99元弁当」(約370円)など

 まねき食品は、いろいろなおかずを楽しめる「幕の内弁当」を駅弁として初めて販売した老舗。昨年に台北の百貨店で開かれた物産展に日本の駅弁をほぼそのまま出品したところ、好評だったことから台湾での出店に踏み切った。

さまざまなおかずが楽しめることで人気が高い「幕の内弁当」(まねき食品提供)

 まねき食品の竹田典高(のりたか)専務(36)は「台北駅の立地の良さに加え、(本社のある)姫路を訪れる台湾からの観光客が多く、会社にとってメリットがあると判断した」と振り返る。

 台湾で販売するのは、ごはんの上にトンカツや唐揚げを乗せ、価格を99元(約370円)に抑えた「99元弁当」など約15種類の弁当などを用意。食材は現地調達し、日本の味付けをベースにしている。

 台湾での注目度は高く、店舗がオープンした10月31日には多くの地元メディアが駆けつけた。販売も好調で、「目標の1日300食の販売は安定的にクリアしている」(竹田専務)。想定よりも販売を伸ばしているのが最も高額な250元(約930円)の幕の内弁当で、竹田専務は「おかずが容器内の仕切りごとに盛りつけられているのが珍しいのでは」と分析する。

 好調な滑り出しを受け、開店時間を午前10時から7時半に繰り上げ、通勤客への販売強化も狙っている。

JR東日本はTGV発着フランス・リヨン駅で駅弁店

 一方、JR東日本は昨年3月、フランス・パリで高速鉄道「TGV」が発着するリヨン駅構内に期間限定で駅弁店を出店。幕の内弁当などを販売。弁当は現地で調理し、おかずとごはんを一緒に食べる習慣がないフランス人向けに味付けを薄くするなど工夫。期間を延長して実施した。

 駅弁は訪日外国人にも好評で、駅弁目当てに日本に来るケースもあり、SNS(会員制交流サイト)を通じて人気が高まっている。

本家本元の日本では“衰退”傾向?

 海外での駅弁人気の半面、国内では鉄道の高速化や航空機の発達で長時間列車に乗る人が減少。駅弁の販売は頭打ちといい、特に専門業者が苦境に陥っている。社団法人「日本鉄道構内営業中央会」(東京)によると、現在鉄道駅で駅弁を販売する会員業者は100弱で、20年前の半分程度まで減少した。

 日本鉄道構内営業中央会の沼本忠次事務局長(70)は「列車の停車時間短縮に加え、飲食店を備えた“駅ナカ”の充実も背景にある」と分析。介護施設向けの食事など、駅弁以外に主力を移す会員業者も少なくないという。

 それだけに、海外への売り込みは待ったなしの状況だ。まねき食品の竹田専務は「海外にはまだまだチャンスがある。駅弁を通じて日本の食文化をアピールしたい」と強調している。

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