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「ノーベル賞の酒」世界が酔いしれ 神戸の酒造会社「灘の酒」を今年も提供

2017/12/11

 スウェーデンで10日(日本時間11日未明)に開催されるノーベル賞受賞晩餐(ばんさん)会後のパーティーに、神戸市東灘区の酒造会社「神戸酒心館(しゅしんかん)」の清酒「福寿」が提供される。同社は阪神大震災で酒蔵が全壊する被害に遭ったが、3年かけて再建。海外展開も強化し、ノーベル賞関係者の目にとまった。「『灘の酒』が世界に広がるきっかけになれば」と期待を込める。(石川真大)

ノーベル賞受賞晩餐会後のパーティで提供される神戸酒心館の清酒「福寿 純米吟醸」=神戸市東灘区

 提供されるのは同社の看板商品「福寿 純米吟醸」。香り高く、フルーティーな口当たりが特徴で、物理学者の益川敏英さんらが受賞した2008年の晩餐会で初めて採用された。12年には人工多能性幹細胞(iPS細胞)研究で京都大の山中伸弥教授が受賞した際の晩餐会にも提供され、「ノーベル賞の酒」として知られるようになった。提供は今年で7回目となる。

 そんな神戸酒心館だが、1995(平成7)年の震災で酒蔵が全壊。幸い従業員に犠牲者はいなかったが、生産中止を余儀なくされた。3カ月後には設備を整えて生産を再開したものの、保存施設がなく、被害の小さかった近隣の酒造会社に貯蔵を頼まざるをえなかった。

 すぐに酒蔵の再建に向けて動き出したが、「建て替えるならこれまでにない蔵に」(同社営業推進部の坂井和広部長)と、震災から約3年後、当時は珍しかった試飲ができる販売所やイベントホールを備える「開かれた酒蔵」として再出発した。

 醸造に微生物を使用する酒造りでは、雑菌の持ち込みにつながる一般客の出入りを嫌う傾向があるため、周囲の酒蔵から白い目で見られることもあった。日本酒離れなどで一時は苦戦したが、近年では外国人の姿も目立つようになった。

 これに合わせて海外展開を強化。震災前から細々と英国には輸出していたが、酒蔵再建後は販路を欧州各国に広げた。スウェーデンには2007(同19)年から輸出を始め、これが関係者の目にとまり、ノーベル賞晩餐会採用の栄誉を勝ち取った。

 坂井部長は「酒蔵が軌道に乗るまで苦しい時期もあったが、こうして世界で認められつつあるのは感慨深く、誇らしい」と話した。

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