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スタバ、中国市場に賭け 上海に世界最大の高級店舗 販売てこ入れ

2017/12/07

 米コーヒーチェーン大手スターバックスは6日、同社にとって世界最大の店舗を上海にオープンした。中国が今後10年以内に米国を抜いて最大の市場になるとにらんでおり、停滞気味の世界売上高に弾みを付けるために、中国の成長力に賭ける戦略だ。

 広さ2800平方メートル

 上海の新店舗は焙煎施設を併用した高級路線の「スターバックスリザーブロースタリー」。有名なショッピング街である南京西路に位置し、サッカーコートの約半分に相当する約2800平方メートルの広さを誇る。来店した顧客は、コーヒー豆が焙煎される様子の見学や高品質のコーヒーの試飲、スターバックスの拡張現実(AR)アプリなどが楽しめる。

スターバックスが上海にオープンした同社最大の高級店舗(同社提供)

 ロースタリーはシュルツ会長が目指してきた高級化への取り組みの一環だ。米国では3年前にオープンしており、中国でもついに出店に踏み切った。

 シュルツ会長は5日、上海での記者会見で「当社にとって中国が10年以内に最大の市場になりそうだ。米国よりもずっと大きくなるのは明らかだ」との見通しを示した。

 米市場が飽和状態にある中で、同社にとって中国の重要性は高まりつつある。直近四半期の既存店売上高は中国が8%増と、世界全体の2%増に差をつけた。2017年9月期通期では、アジア・太平洋地域の収益は全体の約15%を占め、その割合は5年前の5.5%から拡大した。

 スターバックスは中国への投資も強化している。7月には地場の合弁パートナーが所有していた50%の株式を13億ドル(約1461億円)で買い取り、上海や江蘇省などにある約1300店舗を手に入れた。中国での出店ペースは15時間に1店舗。本土内の店舗数は現在3000で、21年には5000まで増やす計画だ。

 スターバックスは中国人の高級志向がコーヒーにも広がると期待する。同社の通常店舗でも、カフェラテの値段は上海にあるほとんどのカフェよりも高い。だが、富裕層が拡大中の中国では、自動車からヨーグルトといった幅広い商品で高級品への需要が伸びつつある。

 英調査会社OC&Cストラテジー・コンサルタントのパートナー、ジャック・チュアン氏は「特に若い世代で、珍しさや品質を求める動きが広がっている。コーヒーに関しても、高級品を求めて来店する顧客層が一定数存在する」とみている。

 またシュルツ会長は記者会見で、中国電子商取引最大手アリババグループとの提携を広げる可能性も示唆し、「(アリババ会長の)馬雲(ジャック・マー)氏とはさまざまな事柄で協議しており、われわれの間には友情と共通の価値観がある。ともにできることもあるだろう」と明かした。中国のスターバックスでは9月から、アリババのモバイル金融サービス「支付宝(アリペイ)」での支払いを受け付けている。

 モバイル注文計画も

 スターバックスのジョンソン最高経営責任者(CEO)も、中国の店舗でのモバイル注文や宅配サービスの開始を計画中だと述べた。同国では生鮮食品からフォークリフトまで多岐にわたる商品がインターネット通販で注文でき、その日のうちに届く。同CEOは「スターバックスも宅配についてさまざまな選択肢を検討中である。モバイル注文の受け付け、店頭での受け渡しや宅配は、われわれにとって次のフロンティアだ。中国では、他のどの国よりも速く広範囲にわたる技術革新が起こっているのを目の当たりにしている」と期待を込めた。

 スターバックスは高級ラインの「リザーブ」の提供を行うロースタリーをニューヨーク、東京、イタリアにも出店予定だ。ただ、店舗の建設費用が高く、適切な不動産を見つけるのも難しいことから計画は減速している。(ブルームバーグ Angus Whitley、Rachel Chang)

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