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「大阪発新事業」創造の場に…ヤフーが大阪・キタで常設交流スペース開設 オープンイノベーションを活性化

2017/12/05

 インターネットサービス大手のヤフーが、関西の企業や大学などと連携して新事業創出を目指すオープンイノベーションの取り組みを始めた。大阪駅北側の大型複合施設「グランフロント大阪」(大阪市北区)で10月に開設した新オフィスに、社員と社外者が交流できるコラボレーションスペースを常設。さまざまな交流イベントを開催している。同社は「異職種との会話や情報共有から、新しい事業が生まれる可能性がある」と期待している。(田村慶子)

ヤフーが新設した常設交流スペースで開かれたイベント=11月16日、大阪市北区(田村慶子撮影)

 コラボレーションスペースは、仕切り板を外せば開放的なセミナールームになる。ここで毎週1回、企業関係者や学生を集め、専門家のトークイベントや交流会を開いている。

 IT業界には、交流や協業によって新技術を生んできた土壌がある。ヤフーは昨年10月に東京都内で本社を移転した際、起業家やフリーランスの人が利用できる1330平方メートルの共用オフィス「ロッジ」を設けるなどして交流を促進してきた。こうした取り組みを関西に広げ、東京にはない新事業に結びつける狙いだ。

 イベントに参加した村田製作所オープンイノベーション推進チームの星野有里さんは、同社も約5年前から本格的に取り組むオープンイノベーションについて「成果を生むのは難しい」とし、「新事業のヒントを探りたい」とヤフーの活動に期待を寄せる。

 ヤフーの担当者は、一連の取り組みによって「地域課題を解決できるような大阪発のサービスを生み出したい」と意気込んでいる。

大阪市とタッグ、進出の後押しに

 東京を拠点とするヤフーが大阪でオープンイノベーションに乗り出した背景には、大阪市などによる後押しがあった。

 大阪市経済戦略局は平成25年、起業家の支援拠点「大阪イノベーションハブ」をグランフロント大阪に開設。当時としては珍しい自治体発のオープンイノベーションを打ち出した。世界中から人材や技術、資金を集め、大阪で融合させる試みだ。

 同拠点には28年度に延べ約1万8千人が訪れ、交流イベントは約300回に上った。29年度も前年を上回るペースでイベントが開かれている。また、起業や新事業創出を目指す会員組織「OIHメンバーズ」には起業家、投資家、企業などが集い、3月末時点で599人、255団体が登録している。

 ヤフーは交流拠点開設を機に、大阪市との連携を深めようと模索。担当者は「自治体が保有するビッグデータの活用ノウハウを、ヤフーが提供し、地域課題の解決に生かす事業などが考えられる」と説明する。大阪市の吉川正晃・経済戦略局理事は、ヤフーの意向を歓迎し、「大阪市はいまICT(情報通信技術)戦略を強化しており、連携が期待できる」と話す。

 企業の「自前主義」での新事業創出には限界があるため、「オープン化」で新しいアイデアを探る動きはさまざまな業種に波及している。

 ジェイティービーは、新たなビジネスモデルで急成長を目指す「スタートアップ企業」から、事業企画を募るコンテストを昨年始めた。2回目の今年は「ひと」「地域」「企業」の3つのテーマで11月に募集を開始。本業の旅行に通ずる3テーマを掲げることで、観光資源の育成に自ら乗り出す狙いもある。

 また、帝人は用途別だった素材の部門を今年4月に再編し、横断的な組織体制にして社内外のオープンイノベーションに取り組んでいる。組織間の壁を取り払うことで、例えば衣料用素材を産業用に生かすなど、開発の迅速化を図っている。

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