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酔客の街「横浜・野毛」…“路上酒場”を一掃せよ! 地元組合が行政、警察と連携

2017/12/05

 庶民的な飲食店が集まる横浜・野毛。店先の路上にまでテーブルや椅子が並び、酔客でにぎわう光景は活気ある街の証しでもあるが、許可のない道路使用は法律違反だ。明るく誰もが安心して飲める街にしようと、地元の飲食業組合が行政や警察と連携して「路上酒場」の撲滅を目指している。

 JR桜木町駅に近い野毛には700軒以上の飲食店が並ぶ。同駅は、明治5(1872)年に日本初の鉄道が開業した際に設置された初代の横浜駅で、周辺は戦前からの繁華街だ。

長らく続いた黙認

多くの飲食店が集まる横浜・野毛の繁華街

 「昔はみんなお行儀よく商売していたんだけどね。放っておいたら無法地帯になってしまう」。50年以上焼き鳥店で働くという60代の女性は憤りを隠さない。

 野毛飲食業協同組合の田井昌伸理事長(62)によると、路上にはみ出す店が現れたのは約30年前。長らく黙認が続き、2年ほど前には数十店舗に及んだ。テーブル代わりにワインのたるを並べたり、ウッドデッキを使ってテラス席にしたりする店もあった。

 転機は最寄り駅の一つだった東急東横線桜木町駅が廃止となり、客足が大きく落ち込んだ平成16年。観光客や女性客を取り込もうと、街灯を増やすなどしてイメージアップを図った。

 近隣住民の苦情だけでなく、店先で酒を飲んでいた客と車が接触する事故などトラブルが相次いだこともあり、違法状態の解消にも力を入れるようになった。「男性が通う暗くて怖い飲み屋街というイメージを変えたかった」と田井さん。

1年前に対策本腰

 テーブルや椅子を減らせば収容できる客の数が減ってしまうが、「お客さんの安全を守るのも店の責任」と話す。しかし、野毛には組合に非加盟で協力的ではない店もあり、状況はなかなか改善されなかった。

 対策に本腰を入れたのは約1年前からだ。店舗を管理する不動産業者や地元町内会、行政や警察などとも連携して、路上にはみ出している店舗への声掛けを始めた。

 ほとんどは応じてもらえたが、それでも一部は路上での営業を続けた。警察が再三注意しても改善されず、取り締まるケースも出た。

 テレビドラマや映画の撮影で野毛の都橋商店街がよく使われ、『酒場人』など数々の雑誌で街が取り上げられていることもあり、最近は「野毛飲み」などと呼ばれてブームとなっており、若者も多く訪れ、いまでは酒場は活況を呈している。

 田井さんは「街も時代に合わせて変化する必要がある。これからも多くのお客さんに来てもらえるよう、良い方向に変わっていきたい」と“路上酒場”一掃に向けて強調した。

 ■野毛 日本大百科全書(ニッポニカ)によると、広義の野毛とは、JR桜木町駅の西部に広がる低地から台地にかけた一帯を意味し、横浜市の中区と西区にまたがる。駅に近い野毛町は花咲町とともに駅前商店街から発展した市の中心商店街の一つ。西の野毛山公園から掃部山公園にかけた一帯には、横浜の総鎮守伊勢山皇大神宮、動物園、県立音楽堂などが集まる文化施設地区となっている。

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