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“やんちゃ”な若者もターゲット…注目浴びる高卒・中卒人材 人手不足、就業体験活発に

2017/12/01

人手不足が深刻化する中、地方出身の高卒・中卒人材に的を絞ったインターンシップ(就業体験)事業が注目されている。都市部の大卒に比べて不足しがちな就職に関する情報や選択肢を増やすことで、やりがいのある仕事に就けるようにするのが狙い。“やんちゃ”な若者もターゲットで、若さを生かした吸収力と大卒に負けない高い成長意欲に、企業側の評価も上々だ。

遠慮なく意見

 高卒や中卒の若者向け就業体験を手がける企業「ハッシャダイ」(東京)のオフィス。インターン生約30人に同社顧問の上田浩史さん(33)が熱っぽく語りかけた。

「ハッシャダイ」のインターン生らに講義する上田浩史さん(左)=東京都渋谷区

 「参加するだけで満足しちゃいけない。どう成長したいかを考えることが大事だ」

 この日の研修は一人一人がインターンの意義を自分の言葉で語り、他の人の質問に答える形式。「経験を踏まえた話は分かりやすいけど、論理的じゃなかった」「話が長いだけで全く質問に答えてないよ」と遠慮なく意見をぶつける。上田さんは「厳しい意見を出すことで、それぞれの理解度や課題を直視させるのが目的だ」と語る。

“やんちゃ”も評価

 参加条件は16~22歳で東京以外の地方出身者。「やんちゃでも根性がある」と企業の採用意欲が高い“ヤンキー”層を多く集めようと、付けた名称は「ヤンキーインターンシップ」。

 参加者は都内のシェアハウスで暮らしながら、平日はインターネット回線の訪問営業を経験し、通信講座でビジネスマナーなどを学ぶ。「実際はまじめな子も多い」と取締役の橋本茂人さん(26)が明かす。

 富山市出身の竹田将宏さん(20)は、2年前に地元の工業高校を卒業。大手企業の工場に就職したが、単調な業務と年功序列の中では頑張っても報われないと感じ、転職するために申し込んだ。「意識の高い仲間にもまれて働き、将来は起業したい」と夢を語る。

 ハッシャダイは昨年秋に事業を始め、これまでに約100人を社会に送り出してきた。評判は取引先企業から口コミで広まり、現在も数十社から問い合わせが寄せられる。インターン生を10月に正社員として採用した人材派遣会社の担当者は「企業を選ぶことに慣れた大卒人材とはハングリーさが違う。若さを生かした行動力が魅力だ」と太鼓判を押す。

今後も需要持続

 文部科学省によると今年3月に高校を卒業し就職した人は18万8千人。就職率は98%を超える。ただ、高校を通じた就職活動は原則1社しか応募できないなどの制約があり、3年後の定着率は6割弱にとどまる。橋本さんは「都会の大卒との情報格差をなくすことが一番の目標だ」と語る。

 20代人口は1学年につき100万人以上いるが、新規大卒の就職者は毎年40万人程度。短大や専門学校卒を含めると、大卒以外が若者の半分以上を占める計算だ。

 労働政策研究・研修機構の堀有喜衣主任研究員は「自社に合った人材を早期に養成するため高卒人材を積極採用する企業が増えている。今後も需要は持続するだろう」と話した。

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