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目指すは民間外交官 おもてなしシニア隊 活動中

2016/08/15
201608121458_1.jpg訪日客に語りかける「おもてなしシニア隊」の林英夫さん=東京タワー

ジャパン・ショッピング・フェスティバル」(ジャパンショッピングツーリズム協会主催)の一環として「ショピングツーリストステーション」が今月31日(水)まで東京タワー(東京都港区)に設けられている。

東京タワーに観光に訪れた訪日客らから日本での買い物動向など生の声を 集めている。そのインタビューの重責を担うのは、得意の外国語を駆使して第二の人生を謳歌(おうか)しようという「おもてなしシニア隊」の面々だ。

生の声を集める場

201608121521_6-300x0.jpg着物を着て記念撮影。もちろん自分たちのスマートフォンで撮影し、その場でSNSに掲載して拡散=東京タワー

買い物による訪日観光を推進する同協会が夏と冬の2回、加盟百貨店などのセール情報を英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語で訪日客らにネットで告知するのが同フェスティバル。

唯一、訪日客らと直接触れ合う場として東京タワーに設けられるのが同ス テーションだ。

訪日客の属性、国内での移動、買い物の動向--などを把握する。

31日(水)までに約1,000人分のデータを集め、ショッピングツーリズム推進のマーケティングに活用する。

訪日客が立ち寄りやすいように、みやげ物店や飲食店が並ぶ東京タワーの2階に設けたステーションには、レンタルの和服、忍者の衣装まで用意し、楽しい場を演出して いる。

「自由に着て、写真を撮影して、SNSなどで拡散してください」。おそろいの黒のポロシャツを着た3人が、中国語で、あるいは英語で通りかかる訪日客らに声をかける。

彼らこそ「おもてなしシニア隊」のメンバーだ。

ステーション開設初日の7月26日(火)。香港やタイ、韓国、米国から訪れた男女が、おもてなしシニア隊の声掛 けに応じて和服を身にまとい、大はしゃぎ。記念撮影に興じた。

ボランティアだけのおもてなしでいいのか?

シニア隊の林英夫さん(74)は、女性グループに声をかけた。

「どちらから? 米メンフィス、テネシー? ああ、エルビス・プレスリー(の邸宅がある場所)!」。林さんの生き生きとした声が会場に響く。

201608121521_7.jpg総合エンジニアリング会社に勤めていた林さんは四半世紀を海外で送っ た。インド、台湾、ノルウェー、中国…。15年いた米国が一番長い。

海外生活の経験をこれからの人生でも生かしたい。昨年「おもてなしシニ ア隊」に登録した。

「自分の経験やノウハウを生かしながら、訪日客とコミュニケートするの はとても楽しい」と林さんは笑顔を見せる。

「おもてなしシニア隊」は、人材業のマイスター60(本社・東京都品川区)が組織した。

同社はメンテナンス業のマイスターエンジニアリング(本社・千葉市)の子会社で、もともとはリタイアした技術者を再度現場に派遣する事業を行なっている。

その経験を転用した。海外駐在など海外経験が豊富で、多言語によるコ ミュニケーションが可能なシニアたち。彼らこそ、2020年の東京五輪で訪日客のおもてなし役として活躍すべきだという考えだ。

「この訪日観光の盛況ぶりを見ると、彼らに対するおもてなしは、ボランティア だけで回るのか。もともと語学力のあるシニア人材は結構いらっしゃる。そんなシニアの派遣なら、各方面で使っていただけるのではないかと 考えました」

同社シニアビジネス事業本部事業開発グループマーケティング部兼営業開発部の西谷太郎部長が、おもてなしシニア隊誕生の舞台裏を説明する。

現在120人が登録。

多彩な海外生活の経験

201608121521_8-100x0.jpg石田優貴さん

例えば石田優貴さん(66)は、23歳のときカメラマンとして腕を磨こうとニュージーランドに渡り、昨年ま で豪州で暮らした。旅行代理店などの仕事をしてきた。今は現地で出会った妻の実家である千葉に住むが、やはり海外生活の経験と語学力を生かしたくて登録した。「ぼけっとしていてもしょうがない」と笑う。

201608121521_9-100x0.jpg浦野和子さん

浦野和子さん(64)は英国留学した後、語学学校の副校長の秘書を勤めた。早期退職して10年間、親の介護に専念した。「両親を見送ったので、語学を生かせる仕事を探しました」と昨年登録した。

横野泉さん(60)は、4度の海外生活で述べ14年を日本の外で暮らした。米国の短大で仏語も学んだ。マナーのインストラクターでもある。 「子供づれの海外生活であちらの人たちに色々と助けられたので、少しでもお返しがしたい」と動機を説明する。

201608121521_10-100x0.jpg横野泉さん

西谷さんが続ける。

「FIT(個人旅行者)が増えると言われています。彼らを観光地や店舗に送客するのはインターネットだとしても、日本に来た彼らを、実際にそこまで連れて行くのは誰か? 目的地が決まっている個人訪日客にはアテンド役が必要。しかも相手がシニアなら、その役は学生ボランティアではなく同様に人生経験豊かなシニアが求められるのではないでしょうか」

今のところ、実際に稼働しているのは、登録者の半分である60人ほどだ。そして、今のところの檜舞台は、この東京タワーの「ショピングツーリストステーショ ン」。だが、前述のようにおもてなしシニア隊の目標は、東京五輪での"民間外交官"だ。

マイスター60
住所 東京都品川区西五反田7-19-1
電話 03(6431)9360
設立 1990年
資本金 1,000万円
社員数 309人

おもてなしシニア隊への問い合わせ マイスター60の西谷さんまで。電話03(6431)9362
料金 通常のアテンド・通訳補助・商品販売などは1人当たり1,500円/1時間から。ただし業務内容により、料金は変動する

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