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訪日客に「手ぶら観光」のおもてなし 荷物預かり 専門店も登場

2017/11/22

訪日外国人客の急増を受け、喫茶店やレストランなどの店舗やオフィスビルで荷物を一時的に預かるサービスが人気だ。コインロッカーや、チェックイン前に荷物を預かってくれるホテルなどの宿泊施設が不足していることが背景にある。スーツケースを持ったまま歩き回る「荷物難民」が街にあふれる中、荷物預かりサービスの需要が高まっている。(牛島要平)

民泊が店を紹介

訪日外国人客向けの荷物の一時預かりサービスを手がける喫茶店「ええ庵」。スマートフォンを使っての予約も可能だ=大阪市中央区(前川純一郎撮影)

「大阪の台所」として知られる大阪・日本橋の黒門市場にほど近い喫茶店「ええ庵(あん)」には1日平均約40人が訪れる。ほとんどが外国人だ。店内にはスーツケースを最大約50個収納できるスペースを備えており、荷物の大きさによって1日500円~1000円で預かる。

昨年5月に開店。英語や中国語、韓国語のできる店員が常駐し、曜日によってはスペイン語とタイ語にも対応できる。荷物を預けるついでに、店員や他の利用客との交流も楽しめる。

「難波や日本橋は訪日客に人気だが、駅のコインロッカーが少ない」と話すのは、同店を運営する経営コンサルティング会社「DRILL(ドリル)」(本社・大阪市中央区)の山口エリック剛インターナショナル・マーケティング事業部長。

  • 【関連サイト】DRILL

ええ庵を訪れる訪日客の約7割は一般住宅を使った「民泊」の宿泊施設からの紹介。チェックイン前でも荷物をフロントで預かってくれることが多いホテルや旅館が不足し、民泊を利用する外国人が増加していることが背景にあるという。

山口氏は「民泊は荷物を預かるスペースがない場合が多いため、民泊経営者が当店を訪日客に紹介してくれている」と説明する。

スマホで簡単予約

ええ庵はスマートフォンで簡単に荷物を預けたい店を予約できるサービス「Ecbo Cloak(エクボ・クローク)」に参加している。スマホアプリ運営の「Ecbo」(本社・東京都渋谷区)が今年1月に始めたサービスで、「利用割合はまだ少ないものの、多様な訪日客の店舗利用につながるはず」(山口氏)とみている。

  • 【関連サイト】Ecbo
「牛角」などの飲食店を経営する「大地」(本社・滋賀県野洲市)は昨年10月、南海電気鉄道の難波駅(大阪市中央区)前のオフィスビルで「信(しん)の旅 荷物預かり なんば店」をオープンし、荷物預かり事業に参入した。約40平方メートルの室内に、スーツケース約200個まで収納できるスペースを確保。1日300円~1040円で荷物を預かっている。

同店の周辺は関西国際空港行きの鉄道・バスのターミナルで、たくさんの荷物を抱えた中国人や韓国人の家族連れの姿が目立つ。

大地の大門拓童取締役は「立地条件が良く部屋が広いので、安心して多くの荷物を持ち込める」と語る。「今後も立地と賃料のバランスが合った物件があれば荷物預かりの店舗を拡大する」(大門氏)方針だ。

関西を訪れる訪日客は平成24年の約273万人から昨年は3.8倍の約1022万人に急増。一方で、ホテル・旅館の客数は16万室前後にとどまっている。建設に時間のかかるホテルなどより、小規模な民泊の利用が増えると予想される。

「手ぶら観光」でより多くの名所をめぐってもらえば、幅広い経済効果にもつながる。“おもてなし”の質向上にも店舗やビルを活用した荷物預かりサービスの充実が欠かせない。

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