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スキー場シェア拡大へ 米で買収統合の動き強まる 投資最小限に事業拡大

2017/11/22
ベイル・リゾーツの主力スキー場(同社提供)

 アドリアン・デマーズ氏と妻は昨年冬、「MAXパス」を使って57回のスキーを楽しんだ。MAXパスは北米の44カ所のスキー場で使えるシーズンパスポートで、各スキー場を最大5日まで利用できる。価格は679ドル(約7万6480円)。1日パスポートの業界平均価格は113ドルのため、6回使えば元が取れる計算だ。デマーズ氏は「節約になるだけでなく、別のスキー場に行ってみる機会になる」と述べた。

 ここ数年、こうしたシーズンパスがスキー業界に大きな変化を与えている。MAXパスの他にも、16カ所のスキー場を各2日ずつ利用できる「マウンテン・コレクティブ」(489ドル)や、ベイル・リゾーツが保有する15カ所のスキー場を無制限に利用でき、欧州の30の提携スキー場にも適用できる「エピック・パス」(899ドル)などがある。

 この背景には、ベイルと、その競合企業であるアスペン・スキーイングを中心とした業界統合の動きがある。ベイルはここ1年で、バーモント州のストウ・マウンテン・リゾートと、北米最大のスキーリゾートであるカナダのウィスラー・ブラッコムを買収した。

 アスペンも負けじと、今年4月、投資グループのKSLキャピタルパートナーズと組んで、イントラウェスト・リゾーツが米国とカナダに保有する6カ所のリゾートを15億ドルで買収。さらにマンモス・リゾートが保有するカリフォルニア州とユタ州の4つのスキー場を買収した。アスペン陣営もシーズンパスを打ち出すとしたら、加盟するスキー場の数と地理的な多様性という点で、ベイルのエピック・パスに匹敵する商品になるだろう。

 こうした「買収」は新たに出てきた傾向だ。環境関連の規制や多大な設備投資などの高い障壁によって、スキーリゾートを新たに開発することは困難だ。そこで最も手早く市場シェアを拡大できる手段が買収なのである。マッコーリー・キャピタルのアナリスト、マシュー・ブルックス氏は「各社は新規のスキー場は一つも開発していない」と指摘した。

 独立系のスキー場も、マウンテン・コレクティブやMAXパスなどへの加盟を進めている。それが生き残る唯一の道となっている。米国北東部では、1年前に誕生した「ピーク・パス」がペンシルベニア州、ニューヨーク州、バーモント州、ニューハンプシャー州の7つのリゾートの無制限の利用権を提供する。

 また、米国西部に力を入れるのが「パウダー・アライアンス」で、こちらは加盟する16のスキー場を合計45日まで無制限に利用できる。(ブルームバーグ John Gittelsohn)

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